Persona〜The first strategy〜
□episode・11
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肩にイヤリング型の機械が落ちて居る事を指摘してくれた人だ。
見ている間に男性は運転席の窓を開けて赤く点滅するランプを車の屋根に設置する。
警察関係者らしい。
「うーわ、とっつぁん、空気読めよなー!!今日は邪魔しちゃダメだろっ!!」
「どうすんだ、ルパン」
「撒くしかないでしょー!!ペルソナちゃん、掴まっててねぇ!!」
「は、はい!!」
グンっと急激に体に重力が掛かる。
一瞬息が苦しくなったが、それよりも後方の車が気になる。
ルパンはかなりのドライビングテクニックで猛スピードのまま車の合間を縫うように進んでいるのに後方の車は一向に離れては行かない。
(、、、やっぱり仕事出来る人なのかも、、、)
とは言え、このまま追跡されると困る訳で。
運転しているルパンは勿論、後部座席で荷物ごと重力と戦っている次元達も後方から追跡している彼を止める事は出来無い。
チラリと後方の車をバックミラー越しに確認するが、同乗者は居ない。
更に追跡している車は1台しかない。
彼一人で追って来ているらしい。
であれば此方が圧倒的に有利だ。
止めなければ、と懐から銃を取り出す。
小型の物だが、この付かず離れずの距離ならば外す事はない。
シートベルトを外して即座に腕に絡める。
「ルパン、此方側を空けておいて下さいね!!」
「はっ、、、ちょ、ペルソナちゃん!?」
神無の意図に気付いたルパンが助手席の扉を開け放って身を乗り出す彼女の体を引き寄せようとするが、前方から車が来て咄嗟にハンドルに両手を戻す。
(、、、もう少し進んだら広めの交差点、、、彼処で距離を詰められたらぶつけられるかもしれない)
車体の大きさで言うと向こうの方が大きいので車をぶつけられたら足止めされるだろう。
ならばその前に止めなくては。
けれど、そのまま撃ち抜いてしまえば周囲を巻き込んで事故を起こしてしまう。
ならば、追跡速度を落とすだけで良い。
そう考えながらシートベルトに絡めて居る腕とは逆の腕で銃口を向ける。
しっかりと狙って放った銃弾は見事に追跡者の乗った車のタイヤとバックミラー、そして左側のサイドミラーを撃ち抜いた。
車の右側には後続車は居ない。
咄嗟に残された右側のサイドミラーを確認してハンドルを切るのを見て車内に戻ると次元がヒューっと口笛で出迎えた。
「やるじゃねぇか」
「ありがとうございます。良かった、止まってくれましたね」
路肩に止まって此方を見送る車を一瞬だけ見返してそう言うとルパンが唇を尖らせた。
「良かった、、、けど!無茶し過ぎだぜ、ペルソナちゃん!!あー言うのは次元とかがやれば良いんだよ!!俺がうっかりぶつけたらどうすんの!?」
「お前な、、、」
「大丈夫ですよ。ルパンならね」
次元が不満げにルパンを見たが、神無がにこやかにそれを遮る。
笑顔で全幅の信頼を寄せられたルパンはそれ以上言い募る事も出来ずにただ苦笑するのだった。
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