Persona〜The first strategy〜
□episode・06
1ページ/1ページ
―――それは吉報だった。
いや、吉報の筈だった。
盗みに入る予定の屋敷でパーティーが開かれる、と不二子が情報を仕入れて来たのでそれに便乗して用心棒として屋敷に入り込んだ。
パーティー当日が狙い目、と言う事でそれまでは警備に従事しつつ情報を集めていたのだが。
用心棒として雇われた面々に配られた招待を受けた客のリストを見て驚く。
其処にはヴァレンティーノの名前があったからだ。
(いや、彼女とは限らない、、、筈だ)
そもそも名前を知らないので判断出来そうに無いのだが。
其処まで考えて彼女と自分の接点の無さに落ち込みそうになる。
(いやいや、拙者にそのような浮ついた感情など、、、)
と、思考を振り払うように警護に当たった。
そして、見付けてしまった。
「そういや、ペルソナちゃん?ダンスって好き?」
(、、、ルパン?)
聞き覚えのある声に振り返った先に居たのは、ワインレッドのドレスに身を包んだ彼女だった。
思わず動きが止まる。
しかし距離がある所為か、彼女は此方に気付かずにルパンに微笑みかける。
「踊れますけど、特に好きでもないです」
「まぁお前が踊れても俺らは踊れねぇからな」
そう言って次元が自然に彼女の隣に立つ。
一見すれば部下のようだが、気安い雰囲気が流れていて、彼らが対等な立ち位置だと解る。
「はっはーん、俺は踊れるんだなぁこれが!てな訳で後で踊ろー♪」
「お前なぁ、、、お、向こうがホールか」
次元がそう言って確認するように彼女を見ると彼女は穏やかな笑顔で応える。
それに続いてルパンが彼女の隣を歩いて、、、視界から消える。
(、、、何故、彼女が此処に?)
いや、そうではない。
それも気にはなるが、それ以上に。
何故、ルパン達と一緒に?そして、もしやペルソナ、とは彼女の名前なのでは?
そう考えたのと同時に彼女をダンスに誘っていたルパンに無性に腹が立つ。
が、仕事中故に動けない。
しかし気になる。
結局、現状を打開する案は出て来ず、五エ門は全く集中出来ないまま仕事を続ける事になったのだった。
→
次の章へ
←
前の章へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ