君の知らない物語

□第二章〜02〜
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「え、、、っと、貴女もルベリアの人なんですか、、、?」

女の子がそう言うと周囲の男の子達も頷く。

自分が盗賊に見えるかどうか、など気にした事がなかったのでどうでも良いのだが、何となく聞いてみる。


「、、、それは盗賊に見えないって意味?それとも弱そうって言う意味?」

「いえっ!あの、綺麗だったから!!」


弱そうとかじゃなくて!!と慌て出す女の子達が可愛らしくて、きっと良い子達なのだろう、と判断する。


「、、、ふっ。ありがとう。これでもルベリアの一員だよ。下っ端だけどね」

「お前が下っ端やったら他の奴らどないなるんや」

「先輩後輩で言うと私が一番遅いでしょ。だから下っ端なの」


軽口を叩きつつ砦内に入るとナナシは彼らから事情を聞いた。

スノウがレスターヴァの姫である事、そしてギンタが異界の住人である事。

バッボが元ファントムのARMだった事。

出来る限り平静を装って話を聞く。

ナナシは特に先入観も持たずに話を聞いているようで、彼らの話を静かに聞いていた。

そして、今のメルヘブンの現状を話して居たら仲間達からの報告が入った。

地底湖のヴェストリにチェスの兵隊の動きがあると言う。


「“地底湖”のヴェストリか!行った事あるからアンダーダの範囲内やな!!どうや、、、メル?」


ナナシはチラリと私を見てから言葉を続ける。

その瞳は止めるな、と言っているように見えたが、元より止めるつもりは無かった。


「自分を連れてってみんか?一瞬でヤツらのトコ行けるで!」


ジャックが少し戸惑うように身を引くが、ギンタは迷わずに頷く。

それに応えるようにナナシはアンダーダでヴェストリへ飛んだ。





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