蒼穹を仰ぎて
□密かな再会
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「あの、えっと、、、」
「あ、山崎です、、、山崎退、、、」
「山崎さんですか。初めまして、神無です」
にこっと笑顔で言う女性。
薄衣でハッキリは見えないが、声や立ち振る舞いで笑顔なんだろうな、と解る。
しかし彼女に覚えがあって思わず副長を見上げてしまった。
薄衣を着た、神無と名乗る女性。
まさか、と否定が入る前に副長は頷いて返す。
(、、、マジか。青鳥のお嬢様をなんでまた、、、)
確か今は記憶喪失になってる筈、、、つまり、俺達の事も覚えていない訳で。
(いや、忘れてくれてた方がいいか、、、)
前回会った時の記憶は実に苦い物である。
尾行を任されていたと言うのに見事に撒かれたのは忘れ難い。
その上、あんな、、、と思い返す記憶は苦く、同時に何処か色鮮やかで。
(、、、忘れて、るんだよな、、、)
あの時間を目の前の人は知らない。
そう思うと何となく複雑な心境になる。
と言っても目の前の薄衣のお嬢様はあの時とどこか雰囲気が違うのだが。
「えっと、神無さんは、、、なんで此処に?」
「総悟とチャイナ娘が盛大にやらかしてたから保護だ。保護」
「す、すみません、、、」
「んでアンタが謝んだよ。取り敢えず茶の一杯でも飲んでけ」
言いながら副長が俺を見たので慌てて茶の支度をする事になった。
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