身辺整理

□良牙VSあかね(❓)
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あかね達は、今日は紅葉観覧ついでに山にバーベキューにきていた。

「うわー、きれいな湖」

湖の湖畔に借りたロッジで早雲とかすみがバーベキューの準備をしている。

「あとは食糧の到着を待つばかりか」
早雲が朗らかにはっはっはっと笑うと、
「ドジよねー。電車の中に忘れてくるなんて」と、なびきがうんざりしたように言う。
「今、乱馬くんがふもとまで買い出しにいってくれてるから」
かすみがそんななびきをとりなすように優しく言う。

ふもとからの道では、
したしたしたした
「よっしゃ、買い漏らしなしっ。」
とメモ書きを確認しながら乱馬が登山道を登ってきていた。

ぼこぼこっ
そこへ、地面がふくれあがり、
「高原はどこだーっ」
どーんっ
と良牙が現れた。

「よー。良牙じゃねーか」
ぎゅるっ
といつものように良牙の頭の上に乗る乱馬。
「え゛」
ーーなっ、なにぃ!?乱馬がここにいるということは......
「ここは天道道場!?」
ムンクの叫びのようになる良牙に、
「高原だよ」
と乱馬が横から言う。
「高原か!?」
「だよ」
じーん
と喜ぶ良牙。

(長いし、疲れるので、本当に書きたいシーンの近くまで中略しながら進みます。36巻2話、カミングスーンの流れと思って頂ければ)

☆☆☆
「お腹がすいたよー」
と子供みたいにジタジタする早雲と、空腹で手すりをかじるパンダ。
「もー、なにやってたのよ!」
空腹のために怒るなびき。
子供っぽい自己チューメンバー達である。
「あらっ、乱馬くん」
全く変わらずジュースを早雲たちに出すかすみ。
「乱馬ー、良牙くん来てるわよー。」
あかねもイライラはしていない。この点、かすみとあかねは大人である。
「おかしいな、この地図じゃ確か肉屋さんは....」
ぶつぶつ呟きながらロッジに迷い混んでいる良牙。

中略。

「さー、食べよ食べよ」
基本的に自分のことしか通常は考えないなびき。
なびきとあかねは、肉や野菜を鉄板に並べる。
「良牙くんもどお?」
優しいあかねは一応良牙に声をかける。
「えっ、いいんですか?」

中略

「あかりちゃんはどうした、あかりちゃんは」
と乱馬が(嫉妬含め)怒ると、
「はっ。
しまったあ、約束の時間がああっ」
突如走り出す良牙。
「だから闇雲に走るんじゃねーっ。」

中略。


「この湖に沿ってひたすら歩くんだぞ、いいなっ」
叫ぶ乱馬。
「湖に沿ってだなっ、よおしっ」

「な〜んだ。良牙くん、あかりちゃんとデートだったの。」と肉を口に運びながらなびきが言う。

「乱馬、つれてってあげればいーのに」
とあかねは乱馬を見る。
「こっから先、迷いようがねーだろ」
あかねに言い返す乱馬。

中略。


「よー、良牙くん。」
グラサンをかけ、長椅子に寝そべる早雲がいた。
「デートはどうしたのよ」
同じくバンガローの長椅子に寝そべり、雑誌を見ていたなびきも言った。

「いいこと思い付いたぞ」
乱馬がやってきた。
「乱馬....」
と良牙。
「てめーは動くなっ」
どぎゅる
ハンマーで良牙を気絶させる乱馬。
「じゃ、ちょっくら乙女の像までつれてく。」
ずず....
と良牙を引きずる乱馬。
「名案ね」
見物しているなびき。

しかし乙女の像では。
『良牙さま、もしここに着いたら、動かず待っていてください』
のあかりからのメモが。

「あれ〜〜?」と乱馬。
☆☆☆

「あれ?あかりさん
まだ良牙君に会えないの?」
カメラを持って湖畔を散策していたあかねが、1人でいるあかりに出会う。
「えっ....
それじゃやっぱり....
このあたりにはたどり着いておられるんですねっ」

「あ、いたいた、おーい」
しゅたしゅた
と手をふって走ってくる乱馬。

「あ、乱馬」
「乱馬さま....」

「良牙くんは?」
乱馬に尋ねるあかね。
「ふっ、像のところで大人しくさせてある」

中略

「乙女の像はどこなんだーっ」
ずんずん
「って、ばか!」
「良牙くん、こっちこっちー。」
良牙に向かって叫ぶ乱馬とあかね。

ばっ、ひそひそ
相談する乱馬たち。

「あかりちゃんはそこで待ってな。」
あかりに言い残す乱馬。
「両側から回れば必ずつかまえられるわっ」
湖の湖畔を、乱馬とあかねは別方向に良牙に向かって走り出す。

中略。


「遅かった....」
「良牙くん、どこに....」
地面の穴を見て唖然とする乱馬とあかね。

中略。


「良牙さま」
「ん!?」
「どこだ、あかりちゃん。」
「ここです、良牙さま」
自分の背負ってる乙女の像の上にあかりがいるのに気づかない良牙。
「ここです。」
「どこだーっ」
そんな二人を
「う゛〜〜ん」
と唸ってみる乱馬。
さすがに呆れた表情を見せるあかね。
それでも
「きっともうすぐ会えるわね....」
「邪魔者は退散するか」
二人を見守る乱馬とあかね。

中略。


「ごめんよ、待ったかい?」
きしっ
と笑顔であかりちゃんの横に座る良牙。
「少しだけ....」
笑顔でうつむくあかり。

「心広いわねー」
と素直な感想を漏らすなびき。

「良かったね、会えて。」
横で、夏の残りの花火を灯すあかねが優しくいった。
「おめーら、いつもこーゆーデートしてんの?」
あかねより激しい花火をあかねの隣で灯す乱馬の声。


身辺整理、良牙VSあかね終了。









エピローグ。

「あー、朝早かったから、やってらんない。」
となびきが伸びをしてバンガローに戻る。
「蚊取り線香置いておきましょう」と後ろからかすみもついていく。

乱馬とあかねは、ぎしぎしと座る良牙とあかりをそっと見守ってから、
「邪魔者は退散」
とばかりに顔を見合わせてそっと立ち上がる。

二人が最後に見たものは、

緊張してガチガチの良牙くんの手を、素直なあかりちゃんがそっと握る様子。
ハッとする良牙は、
プシューッ
と赤面しながらも、手をしっかり握る。
あかりちゃんがコツンと頭を良牙に持たせかけた。
寄り添う二人。


そんな二人を見てから、邪魔しないようにバンガローに戻る乱馬とあかねは、顔を見合わせて微笑んだ。

ふと、互いの存在に気づく。

さっき手を繋いだ二人の映像が甦る。

自分たちも繋ぎたい。手を繋ぎたい。

そんな気持ちを、
乱馬はそっとポケットに隠す。
あかねは背中にそっと隠す。
お互いの顔も見なくなり、二人はバンガローにゆっくりと入っていく。

エピローグ終わり。


最後のエピローグは、書き手の趣味です。

一番書きたかったのは、
36巻の乱馬とあかねの「きっともうすぐ会えるわね....」「邪魔者は退散するか」
の二人のセリフです。
互いのことだと焼き餅やいて邪魔ばかりするのに、他の相手のことはそっと見守る二人には、身辺整理しか感じません!


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