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□Honey Kiss
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「やっと油断したわね!……ふーん、近くで見るといい簪ね。」



差し出された手は素早く私の頭へ。

簪を引き抜かれたのだ。



「ちょっ……返して!!」



私は相手に詰め寄ったが突き飛ばされる。



「あんた、本当に目障りなのよ。消えてくれないかしら?心配しないで、三成様のお世話は私がするわ。」

「貴女には無理よ。簪を返して!!」



毅然とした態度で応じるが効果は無く……



「そんなに大切な物なの?返して欲しければ……そうね、生意気だった態度を改めて、ここで土下座しなさい。」



忍びの術を使えば簡単に奪い返せるが、隠している以上それは出来ない。

私が土下座に応じようとしたその時……



「もうその位で良いのではござらぬか?」

「さっ……真田様!?どうしてここに!?」



女中は厩舎に幸村と三成が居たとは知らなかった様だ。

幸村は呆然とする女中の手から簪を取り返すと、膝をついている私を立たせた。



「他に何か言う事はあるか?」



冷たい三成の声も響く。

「失礼します。」と逃げる様に女中は去って行った。




 
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