long

□Honey Kiss
2ページ/4ページ


「殿なら居ませんぜ。」



その時、背後から左近に声を掛けられた。



「……その……お怒りになって出て行かれたのでしょうか?」



恐る恐る尋ねてみると、左近は笑いながら答える。



「いやぁーあの後は大変でしたよ。おねね様がかんかんで、殿はずっと説教されていましたから。」



ねねから説教……

やはり今も怒っているに違いない……



「何やら城下へ行くと言って出られました。気晴らしでしょうかねぇ。」

「えっ!?お一人でお出掛けになられたのですか!?」

「えぇ。誰もついて来るなと仰ったので。」



三成は襲撃される恐れがある。

陽は落ち、辺りはもうすぐ闇に包まれてしまう。



「私、捜してまいります!!」



気晴らしにわざわざ一人で出掛けたのならば、また怒られるかもしれない。

それでも、主の命は護らなくてはならない。

私は全力で駆け出した。




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ