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□熱。
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「マナ殿、薬をお持ちしました。飲めますか?」

「薬……苦いから嫌です……」

「そんな……童の様な事を……」



マナは頑なに嫌々と首を振るばかり。

困った幸村は薬と白湯を自らの口に含み、マナに口づけた。

こくんとマナの喉が鳴るのを確認する。



「……にが……」

「薬は飲めましたな。後はゆっくりお休みになられた方が……私が居ては休めませぬか。」



席を立とうとした幸村の着物の裾をマナの手が掴む。



「……や……一人は嫌。傍に……傍に居て下さ……」



熱に浮かされ、マナはうわ言の様にそう繰り返した。



「分かり申した。お傍に居ります。」



幸村は再びマナの枕元に座り直す。



「幸村様……手を……」



握って欲しいと差し出された手を両手で包む。



「あたたかい……」



安心したかの様にマナは微笑んだ。





 
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