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□Honey Kiss
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「や……めて……」
「あら、泣いちゃうの?……まぁ、その顔が見たかったんだけど。」
勝ち誇った様に女中は笑った。
「さぁ、そろそろ始めちゃって?」
そう言うと、一人の男が私の浴衣に手を掛ける。
『睦事は愛しい人と……』
「やっ……嫌ぁーーー!み……りさま……三成様ぁーーー!」
「煩いから口塞いでっ!」
「ちっ。こいつ唇噛みやがって、血だらけなんだよ。」
「三成様!!みつ……んっっ!」
咄嗟に思い浮かんだ三成の名を何度も呼んだ。
しかし、私に出来た最後の抵抗は口内に手拭いを突っ込まれ、あっさりと防がれてしまう。
再び絶望感が襲ってきた。
ーーーー三成様……。
朦朧としてきた意識。
瞼を開ければ獣の様な男が映る。
もう逃れられないと腹を括るしかなかった。