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□Honey Kiss
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数日後、上田からの文により幸村は従者を引き連れ帰って行った。

三成と幸村を往復していた私もまた、普段の静けさに戻った。

あの口付けの後、三成や自身の気持ちを思案し悩んではいたが……

顔を合わせてもいつもと変わらない三成を見て、答えは見つからず考えるのを止めた。

ただ、変わったと言えば……

三成を想うだけで胸の鼓動は早くなり、少し苦しくなる事。

初めての感覚。

これを何と呼ぶのか、私にはまだ解らない。



それからここ数日、大坂城に出入りしている忍びの数が増えた様に思う。

たまにではあるが、三成の室を窺っている気配が気になる。

城内で奇襲は無いだろうが、私は気を張り詰めていた。




 
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