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□Honey Kiss
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「どうしよう……この顔じゃすぐ戻れないよ……」
ねねの室に帰ってきた私は鏡を覗き込んだ。
施された化粧は涙でぼろぼろだ。
「何でだろう……涙止まんない……」
私は何を期待していたのだろうか?
あの三成にも何か言って欲しかったのだろうか?
それとも任務も忘れ、女を楽しんでいた事が悔しいのか……
それを三成に気取られ、言い当てられて恥ずかしくなったのか……
「きっと全部……私、全然未熟だ……」
ひとしきり泣いて、少し落ち着けた。
崩れた化粧を落として、選んでいた仕事着に着替える。
気を取り直して三成の室に向かった。
「石田三成様、マナです。」
襖越しに声を掛けるが中から返事はない。
やはりまだ怒っているのか……