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□Honey Kiss
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「三成ーーーー!!!!」
再び勢いよく襖が開けられる。
「……おねね様。何度言えば……」
三成の視線は私に向けられた。
「マナだよ!綺麗だろーー!どこぞのお姫様みたいで。」
うきうきとねねは私を前に押し出した。
「おおー。マナさん綺麗ですね。本当に姫さんだ。ねぇ、殿?」
左近にも受けは良かった。
しばらくぼーっとしていた三成だったが、急に眉間に皺を寄せた。
「仕事を放り出して何をしているかと思えば……くだらん。どうでも良いが早く着替えて茶でも持て。」
三成にそう言われ、はっと気付く。
私はここに遊びに来たのではない。
三成を護りに来たのだ。
「殿、茶なら俺が……」
「どうした?早くしろ、仕事だ。」
そう気付いたら、綺麗な着物を着て化粧をしてはしゃいでいた自分がとても恥ずかしく感じ、自然と涙が溢れてきた。
「三成!!そこまで言う事ないだろ!?それにあたしが勝手に……」
「いいんです、おねね様。……申し訳ありません、すぐに着替えてまいります。」
私は駆け足でその場を去った。