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□許しの口付け。
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近くて、遠い……










「陽月殿、貴女こそ戦場に咲く華!某とお付き合い願えまいか!?」

「……無理です、ごめんなさい。」



きっぱりと言い切られ、男はただその場から去るしかなかった。



「……またか。もう少し優しく言ってやれば良いものを。」

「三成に言われたくないし。それに本当に無理なんだもの。特に見た目が。」



にこりと微笑むこの女武士の名は陽月マナ。

武勇・知謀共に優れ、戦場の華と謳われるだけの美も兼ねている。



「三成はこんな所で何してたの?」

「通りがかりだ。これから幸村と会う。」

「えっ?幸村様来てたんだー私も行く!」



半ば強引に三成の後ろをついて行くマナ。

二人は武の鍛錬も勉学も共にした幼馴染。

主君の三成への敬称略はその名残りであった。





 
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