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□こたつ
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12月になり寒さは厳しくなる一方だ。
「なぁ、そろそろコタツ出さへん?」
11月から何度も同じ台詞を聞いては面倒臭いなと軽く聞きなぎしていたがこう冷え込んでは面倒くささよりも寒さが勝つ。
「ん、出そ」
ノソノソと立ち上がり
私たちは物置に移動。
「コタツどこにしまったんやっけ?」
「私が知ってると思ってるの…?」
「…片っ端から見るしかなさそうやなぁ」
仕方なく隅から隅まで引っ張り出してみることになり、あぁこんなものあったんだ〜とか買ったのに使ってないよねとかそんな感じでかれこれ1時間が経過した時。
「あ、これやない?」
「あ〜…それだ」
由依が見つけたダンボールには彼女の時で大きくコタツとかかれていた。それを持ってリビングに戻ろうとする。
「ちょ、ぱるる片付けは…」
「……」
2人で散らかった床を見て
げんなりした。
「…後でいいよ」
「…せやな」
まぁコタツに入ったらどっちも動けなくなるのはもう分かりきったことだったけど。
リビングのガラステーブルをどかし、ダンボールからコタツの部品を取り出し組み立てていく…由依の横で私はスマホをいじる。
「ちょっと〜手伝って〜!」
「あ〜……あーー…あとで」
「そんな事言ってる間に終わったわ、アホ」
彼女の言葉通り目の前には完成されたコタツ本来の姿がそこにあった。
「わ〜ありがと〜」
イソイソとコタツの中に潜り込む。
「まだ電源入れてへんからあったかくないで?」
「ん〜入れて」
「ハイハイ」
由依になにからなにまでやらして
そのままあったかくなったコタツで
じんわり温まる。
そのまま意識がどこかにとんでいって
片付けまで由依にやらせたのは
言うまでもない…。