[ネガとポジ・ピンクメッキにハートのビジュー]

□食育
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うちでの家事の役割分担は掃除が私で炊事が透くんだ。
買い物は今まで持ちつ持たれつだったのがここ暫くは透くんが欲しいものからこないだの様に頼んでもいないものまで買って来てくれる。
洗濯は基本的に私だけど情事の後のシーツなんかはさりげなくさっと済ませてくれている。

けっこう透くんの負担の方が多くない?と思ってご飯作ろうかと提案したのが今さっき。
返ってきた返事はこうだ。

「食事は僕が作りますよ」
「いいの?」
「今までだってずっとそうなんですから気にしないでください」

今までとちょっと違う日常になった事に気付いて欲しい。
勿論口にも態度にも出さないけど。

「たいへんにならない?」
「なりませんよ、それに○の口に入るモノは僕が作りたいんです」

私の唇を撫でながらうっとり目を細める。
これは聞いたらとんでもない言葉が飛び出すパターンだな。

「そっか」
「○の身体を造るモノが僕の手から生まれるなんてロマンチックでしょう」

そっかで終わらせたのに話し続けた…!
誤ってここからカニバリズムだとかに転がらないようにしたい。

「私よりも透くんのご飯の方が美味しいから嬉しいな」
「ありがとう、そう言って貰えると作り甲斐も増えますよ」

乙女の様に嬉しそうに笑うけれど、私は貴方に食べられるために育つ訳じゃあないのよ。

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