惑星2

□言葉の恐怖〜チャンベク〜
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ベッキョンの元気が無い

事の発端は
サイン会の時に
ファンとの会話を
悪質な
内容で
拡散されて、叩かれてるからだ

謝罪の内容は
SNSで出して
ベッキョンと喋ったファンの子も
事実をSNSでアップしてくれたが
ベッキョン本人は、責任感のある子だ
凄く気にしている

俺だって、今まで叩かれたし
嫌がらせも沢山されてる

ただ、今回の件は悪質すぎる
時期が時期なだけに…

俺達の大事な家族で兄が
この世を去った
兄が去った事と
内容がリンクしてるからだ

憶測で、色々言われてる
事実は、1つだ

そして、兄と同じように苦しんでる人に
少しでも力になりたいと
思った事が
今回の悪質な拡散を広めた

サイン会での会話はファンの皆と少しでも
近付きたくて
やってる事なのに
その事で
SNSで謝罪をする
SNSも、ファンと近付きたくて
することだけど
普通に話す言葉で
悪質な言葉とすり替えられ
怖い

続けたいけど
続けたくなくなる
書くことが怖い
話すことが怖い

誰でもミスはするし
失敗もする
指摘されたら
素直に受け入れる事もするし
ただ、悪質な事はやめて欲しい

だって俺達も人だから
心はある

「ベッキョナ
ちょっと外に出ないか?」

「ん…チャニョラ
ありがとう」

ソファーでボーッとしている

「外の空気、吸おうよ
寒いけどさ 
あっ雪が降ってるから
スノボでもする?」

「ありがとう
やめとく」

ソファーの上にポテッと横になった
ベッキョンの頭の方に
腰をかけ
頭を擦った

「チャニョラ」

「ん?」

「難しいな
言葉ってな」

「そうだな 
でも、伝えたい相手には
ちゃんと伝わってるから…
ベッキョナの伝えたい事は
俺にもちゃんと
伝わってるぞ」

「うん…」

震えてる肩を見ながら
髪を触る

辛いよな
苦しいよな

けど、何されても言われても
俺達は
笑わなきゃいけないよな
俺達はプロだからな

「ベッキョナ
おいで」

横になってたベッキョンが
のそのそとチャニョルの膝の上に
跨ぎ座った

どれだけ泣いたのか
可愛そうに
目許が腫れ
隈も酷いな

チャニョルは
力一杯抱き締めた

「チャニョラ…
苦しいよ」

俺の力で苦しいのか
心無い人達で苦しいのか

「チャニョラが泣いてどうするんだよ
本当に…俺の顔を見て」

大きな潤んだ目で
ベッキョンの方を向いた

顔が近づきベッキョンが
紅い舌を出し
目を舐めた

「しょっぱっ
泣くな
俺が泣けなくなるだろ?」

ポロポロと涙を流して
笑っている

大の男が何してるんだろう
抱き合いながら泣いた
家族にしか見せられない姿
愛してる者にしか見せられない姿

そして
ファンの前では
笑った姿を見せて
皆から元気を貰おう

俺達を愛してくれる
人達が待ってるから……
                あとがき
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