惑星

□初恋〜チャンベク〜
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「なぁ、聞いたか?
新しく入ってきた奴
めっちゃ歌、うまいらしいぞ」

新しく入ってきた練習生の話題で
持ちきりだ

「なぁ、チャニョル
1回覗きに行かないか?」

ギターの練習をしながら

「気になるッ
女?男?」

そっちかよーって
笑われながら
練習部屋を出た

ボーカルの練習場には
数人の野次馬が居てた
人の壁をぬって
前に出た

前髪が揃っていて、
目は少し小さめ
あどけなく、少しプックリしている
眉間にシワを寄せて
歌を歌っていた

なんて吸い込まれる歌声なんだ

聞き惚れて居たら
後ろから
押され
数人が前に立った

「あぁ゛っ」

こっちは気持ちよく聞いてたのに
って思って、苛立ちを露にしたら
友人に引っ張られた

「おい、チャニョル
相手先輩だから我慢しろよ」

「クソッ
綺麗な歌声聞いてたのに」

「あいつの練習
終わったみたいだぜ」

「そうだな…」

「あっ!さっきの先輩が
話しかけてんじゃん」

話してる姿見たら
人懐っこく、笑って喋ってた
何て可愛らしい…可愛らしい?
なんだこの感情は?
苛々する。

そのまま
元、居てた練習ルームに戻り
楽器の練習をしていた。

結局、練習には力が入らなくて
次回にする約束をして
帰路に向かった

ん?
あいつは
美声で歌ってた奴だ

チャニョルが、
駅に向かう途中に見つけた
今、一人だよな
何だろ?ドキドキしてきた
でも、今がチャンスじゃないか?
思いながら歩いてたら
駅構内に入り、後を追いかけた
気が付いたら
奴の肩に手を置いていた

「何?」

上目遣いで見てくる顔が
可愛くて仕方がない

「あっ俺チャニョル」

ビックリした顔をしていたが

「何それ?
あはっ
俺ベッキョン」

口が、笑ったら四角くなるんだ
抱き付きたい
ん?抱き付きたい?何で?

自分の複雑な気持ちは
置いておいて
今、ベッキョンと話をする事が
楽しくて
時間を忘れて話をしていた

俺は、一生涯の友人を手に入れた
大事な日だった。
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