狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第8狩り〜
1ページ/2ページ
「おかえりなさい、レインさん!やっぱり私の見立ては間違っていませんでした!レインさんならきっと、ドンドルマに脅威が及ぶ前にクシャルダオラを倒してくれると信じてましたよ!!」
クシャルダオを討伐した後、凍傷を起こした左手にヒソカから塗り薬の回復薬グレートを塗りたくられた。
おかげであっさり凍傷は回復し、ほぼ全快状態でドンドルマに戻ってきた。
レインとヒソカを出迎えたのは、受付嬢ソフィアの黄色い声だった。
「信用されてるのは嬉しいが、もう少し声を落とせソフィ。変に注目されるだろ。」
周囲の視線が痛いので、騒ぐソフィアを窘めて苦笑する。
「あ、これは失礼しました!お連れさんも、怪我とかしてませんか?」
「…!あぁ、うん…ボクはなんともないよ♣」
まさか話しかけられるとは思っていなかったのだろう、ヒソカも少し驚いた様子で答えていた。
「ソフィ、明日はこいつ…ヒソカも連れて上位クエスト行こうと思うんだが、何か良いクエストは来てないか?こいつ、上位クエストの初陣なんだ。指導監督しなきゃならんからいきなり高難度とかはちょっと厳しいんだけど、普通の上位ハンターレベルならそこそこ行けると思う。」
とりあえず明日のための準備をしておかなければならない。
今日は急遽G級見学なんてことになってしまったが、本当ならば手頃な上位クエストで慣れてもらう予定だったのだ。
ついでなので、手頃なクエストを幾つか押さえておきたい。
「そうですねぇ…グラビモスとかどうでしょう?原生林で大量発生しているって報告がありまして、ギルドの方から討伐依頼が出てます。場所も火山みたいに戦いにくい所じゃありませんし、好きなだけ狩っていいので上位に慣れるにはうってつけだと思いますよ?」
「グラビモスの連続狩猟か…飛龍種に慣れるには丁度いいかもな。じゃあそれ予約しとく、明日行くから手続き頼むよ。」
「はい、任せてください!にしても、良いですよねぇグラビモス!あの硬いフォームにカッコいい熱線!もうたまりません!!」
飛龍種は狩りをしていく上で避けて通ることの出来ないモンスターだ。
しかも牙獣種や鳥竜種よりも必要な素材が集まりやすいのも魅力的なので、レインにとっては積極的に狩りに行きたいモンスターであると言える。
この際なので、ヒソカには大量に狩ってもらって素材を大量確保するとしよう。
グラビモスの話でやたらとテンションが高くなるソフィアは置いといて。
「帰ろう、ヒソカ。戻ったら飯食いながらグラビモスについて少し予習するぞ。」
「OK♪よろしく頼むよ、レイン♥」
ソフィアの元を後にし、そのまま自宅へ帰る。
食材はまだ残っているので特に問題ないだろう。
今日の食事は何にしようかと、まず献立を考えるために冷蔵庫を開けた。