真選組忍風伝
□真選組忍風伝 第2章
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『え、近藤さんが?女に振られた挙句に喧嘩して負けた?…えっと、いったいどういう状況なんでしょう?』
沖「俺も詳しいこたァ知らねェが、何でも銀髪の侍に勝負挑んで負けたって話でさァ。あの人が喧嘩で負けるなんざどうにも信じらんねェんで、ちぃとばかし調べてみようと思ってねィ。刹乃も協力してくれんだろィ?」
完全密着!武装警察真選組24時!!とかいう番組の収録を終えた翌日、沖田殿からまさかの話を聞かされた。
真選組の局長である近藤さんが、喧嘩で負けたというのだ。
私は近藤さんがどれほどの実力なのか知らないが、沖田殿が近藤さんの敗北を信じられないということは相当の実力者なのだろう。
その近藤さんに勝つほどの相手とは、いったいどんな人なのだろうか。
『勿論です。手始めに、目撃者の情報を洗ってきますね。昨日のことでしたら、誰か目撃者が居るかもしれません』
沖「おー、頼んだぜィ」
私はすぐに屯所から飛び出し、目撃者探しを始めた。
あちこち駆け回っていると、昨日の夕方銀髪で白い服を着た男とゴリラのような顔をした男が決闘をしていたという話を聞くことができた。
勝ったのは銀髪の男の方で、ゴリラ男の持っていた木刀が折れたのだという。
そこを突かれて負けた、とのことだった。
『何とまぁ…確かに汚い手ですね、そりゃ』
しかしそれだけでは特定に至らなくて、再び町を散策していると、町のあちこちに貼られた貼り紙を引っぺがして丸めて捨てている沖田殿と土方さんの姿が。