狩人は奇術師と共に
□狩人は奇術師と共に 第2章
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レインが連れて来られた場所は、どうやらどこかの倉庫らしい。
倉庫の床に乱雑に放り投げられる。
体が雨に濡れたせいか、熱が上がってきているようで頭がボーっとする。
乱暴な扱いに文句の一つでも言いたかったのだが、頭痛も吐き気も酷くなってきて、喋るのも億劫だった。
「運が悪かったな、女。よりによって俺らが乗り込む日にヒソカの家に居るなんてよ。」
「お前はあいつの女か?それとも単に買われた女か何かか?」
答える義理もないので無視して黙っていると、男の片方に髪を掴まれて引っ張られた。
痛いっつの。
「おいおい、自分の立場わかってんのか?てめぇが今生きてんのは俺らの気まぐれなんだぜ!少しでも機嫌損ねりゃ、その華奢な首スパーンと飛ぶことになんぜ!!」
「…やめとけ。ヒソカが来た時の人質になるかもしれないんだ。」
掴まれていた髪が手放され、再び床に叩き付けられる。だから痛いっての。
「チッ…おい、少しくらい味見しても良いだろ?ヒソカの悔しがる顔、拝んでやろうぜ!」
「たかが女一人に悔しがるような奴でもない気はするが…それくらいなら良いだろ。」
近づいてくる野蛮な男。
何をしようとしているのか、ぼやけた頭で理解すると同時に腹が立った。