狩人は奇術師と共に
□狩人は奇術師と共に 第2章
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「…とことんゲスな野郎だな。女攫った挙句、脅して暇潰しの発散道具にしようとか。生憎だが、私はそんな安い女じゃないんでな。てめぇなんざの粗末なモノは、そこらの娼婦でも買って処理しておけよ。てめぇにヤられるくらいなら死んだ方がマシだね。」
久し振りの毒舌全開で、レインは吐き捨てる。
最近はヒソカとしか話していなかったため影をひそめていたのだが、レインの口の悪さは相変わらずだ。
「て、めぇ…!!ちっとばかし痛い目見なきゃ自分の立場もわかんねぇらしいな!!」
男の足が、レインの華奢な体を蹴り上げる。
痛みはあるが、これならばモンスターの攻撃を受けた方がずっとキツい。
声一つ漏らさずに、レインは冷めた目を男に向けた。
そのことが男の逆鱗に触れたらしい。
男がナイフを握り、レインの右肩に突き刺した。
派手に血飛沫が散る。
雨に濡れた体と相まって、ヌルリとする感触が酷く不快だ。
レインの苛立ちが増していく。
どうやら体を縛るロープは、至って普通の物らしい。
おそらく念で操作していたのだろう。
ただのロープならば、レインにとっては何もないのと同じだ。
さて、どこまでやれるかな。