狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第9狩り〜
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〜Side ヒソカ〜
レインの戦い方はやはり無駄がなく、見本を見せると言っておきながらほんの僅かな時間で狩りを終えてしまった。
戦闘能力が高く頭の回転も早いヒソカだからこの短時間で戦い方を理解出来たが、一般的なハンターから見た場合、あれを見本と言われても速過ぎて参考にならないだろう。
「次の奴、来たみたいだな。別にあんなスピードで狩れとか言わないから無理しない程度に頑張って来い。」
レインがチャージアックスを抜き、構える。
羽音が聞こえる方に目を向けると、そこには先ほどよりも一回り大きそうなグラビモスの姿が見えた。
「じゃあ、イかせてもらうよ♦」
飛んでくるグラビモスに向かって、"伸縮自在の愛(バンジーガム)"を伸ばす。
付着したそれを力いっぱい引きながら縮ませると、飛んでいたグラビモスは落下して地面に叩きつけられた。
そのまま"伸縮自在の愛(バンジーガム)"でグラビモスの体をぐるぐる巻きに拘束して、動けなくなったそれに"周"でコーティングした双剣を振り下ろす。
ガギン、と硬い音が響く。
どうやらグラビモスの体は思った以上に硬いらしく、"周"で強化した刃も硬い外殻を突き破るには至らずヒビを入れるだけに留まっていた。
「(結構硬いな♣レインのあの斧、それだけ硬いんだろうねぇ…それにレインの腕力、念なしであの怪力…もし念を会得したらいったいどれだけ強くなるんだろう♦あぁ、考えるだけで興奮してきちゃうよ…♥)」
全く関係のないことで昂ってくる自身を感じながら、ヒソカはヒビの入った外殻に再度双剣を突き刺した。
先ほどよりも力を込めて叩き込んだそれは、ベキベキと音を立ててグラビモスの外殻に大きな亀裂を入れた。
そこに"硬"で強化した拳を叩き込めば、弾け飛ぶように硬い鎧が剥がれ落ちた。
「ヒソカ、どこに"伸縮自在の愛(バンジーガム)"ある?こいつ拘束してるだろ、そのまま斬ってもいいのか?」