狩るか狩られるか

□狩るか狩られるか〜第2狩り〜
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「それじゃ、名前を教えたら優しくしてくれるのかな?ボクはヒソカって言うんだ、よろしく♥」

そういえば自己紹介をしていなかったなと思い、笑顔を貼り付けて名乗る。

レインがどう思っていようと、とりあえず最低限の生活が保障されるまでは利用するつもりなのだ。

名前も知らないままでは、色々と面倒が生じるだろう。

「あ、そう。私はレイン、よろしくするつもりは全くありません。仲良くしなくて結構よ。」

思いのほかすんなりと名乗ってはくれたが、敢えて丁寧にしただろう口調に棘を感じた。

苦笑を返すと、レインがずた袋を背負ったのが見えた。

女性には決して軽くないだろうそれをあっさり持ち上げる辺り、彼女の筋力の強さが伺える。

あの大きな斧を振り回すだけあって、腕力も申し分なさそうだ。

けれど、今は手伝っておくのが良いだろう。

少しでも印象は良くしておいた方が、後々交渉もしやすくなる。

ヒソカはレインが背負っていたずた袋をかすめ取り、担ぎ上げた。

「ボクとしては、唯一事情を知ってるキミとよろしくしたいんだ♦とりあえず、さっき助けてもらったお礼でもさせておくれよ♥」

助けられた礼と言えば、この流れは自然だろう。

無論魂胆を隠しても意味はなさそうなので、正直に目論見も話しておく。

「そ、じゃあ遠慮なく手伝ってもらおうか。まだまだ沢山あるし、その無駄についた筋肉を遺憾なく発揮させろ。」

また口調が粗くなっている。

どうやら、レインは相当数の猫を被っていたようだ。

おそらく、この口調がレインの本当の口調なのだろう。

「無駄って酷いなぁ…♣それにさっきより、更に口が悪くなってないかい?」

酷いなどとは微塵も思っていないが、本性を見せるということは少なくとも最初よりは気を許してくれているのかもしれないと良い方に解釈しておく。

彼女が歩き出したため、合わせて後ろについて行く。

「いつまでも猫被ってられるか。こっちはいい加減面倒臭くてダルいんだよ、ゲリョス何匹狩ったと思ってんだ。」

どうやら、自分と会う前にも相当数のゲリョスを狩っていたらしい。

あの強さと手際の良さならば、それも不思議ではない。
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