狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第2狩り〜
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〜Side ヒソカ〜
どうやら、今自分が居る場所は元居た世界とは違う所らしい。
念能力が存在しておらず、目の前に居る美味しそうな果実、レインも念を使える様子は無かった。
念が使えないのにこれほど強いということは、彼女が念を覚えたらどれだけ強力な使い手になるのだろう。
それを想像するだけで、再び興奮が沸き上がって来る。
けれど一戦交えるような状況ではないため、どうにかソレを押さえ込んだ。
「仮にその、念能力?っていうのがあるとして、それじゃあんた帰れないんじゃないの?あんたがその念能力ってので此処に飛ばされたのなら、帰るのにもそれが必要な筈。はっきり言う、私は世界中回って狩りしてるけど念能力なんてものは知らない。この世界にそれが使える人は居ない。つまり、あんたが帰る方法はない。」
レインが立てた仮説通りならば、確かにヒソカが帰る方法は存在しない。
最悪、この世界で一生を終えることになるのだろう。
ヒソカにとっては、強い相手と戦えればどこであろうと関係ない。
しかしクロロと戦うために旅団に偽装入団したのにそれが為せないまま死ぬのは些か心残りと言える。
どうにか帰る手段を見つけなくてはならない、とヒソカは考える。
「随分、はっきり言うねぇ…♠」
突き付けられた現実に、僅かに落胆する。
気のせいか、どうにも彼女の態度が冷たくなってきているような気がする。
別に気にするようなことではないのだが。
「何で名前も知らない相手に優しく言わなきゃなんないわけ。だいたい、どうせ帰れないってんなら最初にはっきり言ってやった方があんたのためでもあるんじゃないの?」
成る程、と思う。
レインはただ冷たいだけではなく、一応相手を思いやる心も存在しているようだ。
本人が気付いているのかはわからないが、彼女は確かに言ったのだ。
"はっきり言った方がヒソカのためだ"と。
それならば、ただの冷血な相手よりもまだやりようがある。