狩るか狩られるか

□狩るか狩られるか〜第2狩り〜
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「レイン、運んだよ♥ほら、早くキミも登っておいで♦」

声をかけると、ハッとしたようにレインも崖をよじ登って来る。

女性がこの高さの崖を平然と登って来る様は異様だが、彼女にとっては慣れたものなのだろう。

「…ヒソカ、あんたいったい何やったんだ?」

よじ登ってきた彼女は、開口一番に質問してきた。

念を知らないレインは、自分がどうやって荷台を運んだのかわからなかったのだろう。

彼女の目にはただ、荷台がヒソカの跳躍に合わせて浮かび上がったように見えていた筈だ。

「あれはボクの念能力、"伸縮自在の愛(バンジーガム)"の力だよ♣念能力っていうのは、自分のオーラを使うものなんだけど…ボクは自分のオーラを、ガムとゴムみたいに変化させられるんだ♦それで荷台を包んで、先に上に登ったボクが引っ張り上げた♥」

説明しただけでは、未知の現象を理解することは出来ないだろうと思い、再度"伸縮自在の愛(バンジーガム)"を発動する。

レインの胸部にオーラを飛ばし、人差し指を曲げてゴムを縮めた。

レインの体がオーラに引っ張られ、ヒソカの方に引き寄せられる。

「う、わっ!?」

驚きの声を上げたレインをそのまま自身の胸に抱き留める。

「ちょ、何しやがるんだてめぇ!!離せ!!」

叫びながら離れようとするレインの背に、両腕を回して逃がさないように抱きしめる。

「ボクの"伸縮自在の愛(バンジーガム)"はよく伸び、よく縮む♥これでわかったかい?」

鎧越しのレインの体は、女性特有の軟らかさを感じられず残念な気持ちになる。

どうせならば鎧を脱いだ時にやれば良かったと、ヒソカは想像して喉を鳴らした。

「わ、わかったから早く離せこの変態!!」

ジタバタと暴れる彼女に貼り付けた"伸縮自在の愛(バンジーガム)"を解除し、腕の中から解放する。

慌てて跳び退いたレインを見て、ヒソカは更に笑みを深くした。
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