狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第2狩り〜
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あれこれ質問して、情報を整理している内に大きな荷台の置かれた崖下までやってきたようだ。
レインの手によって荷台が押し付けられる。
荷台に乗っていたずた袋の数は結構な量で、その全てに先ほどのゲリョスを解体した物が入っていると考えると、彼女の強さが窺えた。
この数のモンスターを狩っても疲れ一つ見せていない彼女の体力は相当だろう。
戦えばきっと、長い時間愉しむことが出来る。
早く、彼女と戦いたいという欲がまたもや膨れ上がった。
「はいはい♦で、これはどこに運べばいいのかな?」
己が欲を誤魔化すべく、レインに問いかける。
すると彼女は崖の上を指差した。
「この崖の上。そこに拠点があるから、そこまで運んでくれりゃ良いよ。」
荷物を背負ったまま、視線を崖の上へと動かしてみる。
それなりの高さはありそうだが、これならば"伸縮自在の愛(バンジーガム)"を使えば簡単に登ることが出来るだろう。
荷物も一緒に引き上げれば良い。
「OK♪(…"伸縮自在の愛(バンジーガム)"、発動!)」
言葉を返しながら、背負っていたずた袋を荷台に乗せてオーラで荷台を包み込む。
そこから一本オーラを伸ばし、自身の肩へと貼り付けた。
なかなかに重いが、ゴムが縮む勢いを利用すれば容易く持ち上がるだろう。
崖の上にもオーラを伸ばす。
崖に伸ばした方のオーラを縮ませ、まずは自分が跳び上がった。
それに合わせて、荷台を包んだオーラも持ち上がりついて来る。
崖の表面に足をかけ、荷台が足元まで来たのを確認すると次のオーラを上へ飛ばす。
同じ行程を何度か繰り返し、崖の上まで荷台を運び上げた。
"伸縮自在の愛(バンジーガム)"を解除する。
崖下を見ると、呆気に取られたような表情のレインが佇んでいるのが見えた。