狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第1狩り〜
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ドサッ、と音を立てて巨体が地面に転がった。
首筋から血を噴いて倒れるそれを見て、傍らに佇む女性、レインは愛用の武器、チャージアックスを振り払う。
武器を背に収め、既に事切れた死体の脇に腰を下ろすと、機械的にそれを解体し始めた。
ゴム質の体を専用のナイフが裂いていく。
慣れた手つきで行われた解体作業はものの数分で終了し、バラしたそれをずた袋に詰める。
既に同じ行為を幾度か繰り返しているため、ずた袋はかなりの数になっている。
「これ、一人で持って帰るのは骨が折れるね。幾ら何でも重いっての。」
転がるずた袋の山を荷台に積み込みながら一人愚痴り、一先ず拠点へ戻るべく歩き出す。
最も今レインが居る場所は、地底洞窟であるため、拠点は高い崖の上にあるため拠点に戻るにはその崖をよじ登る必要があるのだが。
モドリ玉の調合材料を忘れてきたために起こっている現状に舌打ちをしつつ、荷台を引いて歩いていく。
しかしその足はすぐに止まる。バサバサ、と鈍い羽音が聞こえてきたからだ。
幾度となく聞いたことのあるそれは、間違いなく今回のターゲットであるゲリョスのものだ。
「また来たか…近いみたいだし、さっさと片付けるか。」
ずた袋が載った荷台をその場に放置し、レインは羽音の聞こえた方に歩を進めた。