狩人は奇術師と共に
□狩人は奇術師と共に 第3章
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襲撃事件の後、すぐに二人は拠点を別の場所に移した。
今度の場所は、レインのためにとヒソカが用意した森の中の家だ。
薬の材料になる物を探すには、自然が多い場所の方が勝手がいいと考えたらしい。
交通の便は良くないが、一応近くに町もあり補給は利く。
襲撃者にも見つかりにくいので、当面の生活は此処でするとのことだった。
それからさらに1週間が経過し、ようやくレインの代償も終わりを迎えた。
ほぼ寝たきりに近い生活だったので体力は落ちているが、体を苛んでいた不調が嘘のように無くなったためレインの気分は上々だ。
「んー…うん。快調だ、ちょいだるいけど問題なし。」
「それなら良かったよ♥これからどうするんだい?とりあえず、レインの必要物資を買いに行こうとは思うんだけど…♦」
家には、必要最低限の家具と調理器具は揃っている。
しかしそれ以外の物は無いので調達する必要があるらしい。
「じゃあ、今日は買い物行くか…明日からは鍛練しながら薬の材料でも探すかな。」
「OK♪食事を済ませたら出かけようか、考えてみればデートは初めてだよね♥」
「デート?……そ、そういえばこれはデートになるのか…いや、ただの買い出し?そ、そうだ買い出しだ!デートとは言わないだろう、うん。」
恋愛経験ゼロなレインは、当然デートなどしたことがあるはずもない。
そのためデートという言葉に妙な恥ずかしさを覚えて顔を赤くしたが、買い出しだと自分に言い聞かせることでどうにか心を落ち着けていく。
しかしさらに投下された爆弾によって、レインの顔は見事に茹で上がることになった。
「じゃあもう少し生活が落ち着いたら、ちゃんとしたデートに行こうか♥向こうと違って、こっちには色々そういうスポットもあるからね♥」
見事に言葉を無くしたレインは、赤面して俯いたままヒソカが作った食事に没頭するのであった。