狩人は奇術師と共に
□狩人は奇術師と共に 第1章
4ページ/4ページ
近づいてくる微かな殺気に体が自然と反応し、レインは目を覚ました。
直後、ガシャーンという派手な音が他の部屋から聞こえてくる。
確認するべく、辛い体に鞭を打って起き上がると、部屋に飛び込んできた2人の男。
先ほどの音は、こいつらが出したものだろう。
飛んでくるロープを避けようとするが、上手く動かない体は容易くそれに捕らえられてしまった。
「なっ…女!?ヒソカの奴、部屋に女なんて囲ってやがったのかよ!!」
「家の中に気配は一つだけだ…今ヒソカは家に居ない。仕方ないな、ヒソカが囲ってる女を捕まえただけでも良しとしよう。人質になるかもしれないしな。」
ロープを強く引かれ、レインの体が床に引きずられる。
「…女の扱いがなっていないな…野蛮な男だ。」
どうやらこいつらは、ヒソカを狙ってきたらしい。
体調が平常ならば、すぐにでも撃退したところなのだが。
こういう時に限ってレインの体は動いてくれない。
面倒なことになったなと、レインはどこか他人事のように思った。
そのままレインは、襲撃者の男に担がれて外へ連れ出された。
外は酷い嵐のようで、土砂降りの雨が体を濡らしていった。
まったくもって、運がない。