狩るか狩られるか

□狩るか狩られるか〜第9狩り〜
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翌日、朝早く起床したレインは対グラビモス戦のために必要な物の準備を整えていた。

回復薬類を多めに、砥石も多めに。

火傷対策の塗り薬型回復薬も多めに持った。

ヒソカ用のポーチにも同様の物を詰め込む。

今回は火山ではないので、クーラードリンクは不要だろう。

原生林は水も多いので、火消しには困らなそうだ。

今日の装備はウカムルXシリーズにしてみた。

心眼は硬いグラビモスの体でも攻撃が弾かれなくなるし、匠は斬れ味が上がる。

痛撃は弱点部位に対して威力が上がり、ついでに耐震でグラビモスの巨体が引き起こす揺れを無効化出来る。

といった風に有効スキルを多数持つのでこのチョイスにしたのだ。

グラビモスの放つ熱に対してはかなり弱い作りになっているが、当たらなければ良い話である。

武器には弱点である水属性を持つチャージアックス、豪峻剣斧【山津見】をチョイスした。

攻撃力も属性値も斬れ味も申し分なしのG級装備だが、今回は数を狩る必要があるため手加減なしだ。

大人げないとか言わないでほしい。

一通りの支度を終えて台所に向かうと、ヒソカが簡単な朝食を作ってくれているところに遭遇した。

「やぁ、おはようレイン♥勝手に使わせてもらってたよ、もうすぐ出来るから待っててくれるかい?」

どうやらヒソカはこの世界に来て僅か3日目だというのに、ある程度此方の食材や調理法、調味料などを把握したらしい。

本当に素晴らしい頭の回転をしていらっしゃるようだ。

この調子ならば、レイン宅の家事を一通り任せられるようになるのも時間の問題かもしれない。

もしそうなってくれれば、狩りと薬作りに力を注げるようになるのでありがたい限りだ。

「おはよう、ヒソカ。悪いな、飯作らせて。ちゃんと眠れたか?」

促されるままに席につきながら、ヒソカの表情を覗き見る。

顔色はメイクの所為か元々色が白い所為かわからないが、あまり良くないように思えた。

「うん、おかげさまで♥色々良くしてもらってるし、快調だよ♦」

「そうか、なら良いんだが…何かあればすぐ言えよ。無理はするな。」

念のためそう言うと、レインの前に幾つかの皿が置かれた。

「心配してくれてありがとう、でも本当に大丈夫だから♥ご飯、冷める前に食べてしまおう?」

ヒソカの態度に違和感を感じつつも、とりあえず本人が大丈夫だと言うのだから信じることにして、今は食事に集中することにしよう。

「……ヒソカ、マジで料理上手かったんだな。」

「口に合って良かったよ♥」

ヒソカの料理が本当に美味しくて物凄く驚いたのはまた別の話だ。
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