狩るか狩られるか
□狩るか狩られるか〜第2狩り〜
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「ハァ……ヒソカ、そのバンジーガム?ってやつ使う時、凄く気持ち悪い感覚なるんだけどどうにかなんねーの?」
念については一般人並みの抵抗力しか持ちえないレインにとって、オーラは気持ち悪いもののようだ。
「うーん……どうも、念を使えない人が念の気配を感じるとそういう感覚になるらしいんだ♠だから、こればかりはボクにもどうしようもない♣」
念が使えない彼女が感じる感覚はどうしようもないため、正直にそれを話す。
レインは眉間に皺を寄せ、思い切り嫌そうな顔をしていた。
嫌われるのは得策ではないため、出来るだけ使わないようにしておいた方が良いだろう。
「そ。んじゃ、私の前であんまり使うなよそれ。」
考えている間に念を押され、了承を示すべく頷いたが彼女は見ていなかったようだ。
何かを赤い箱に放り込んでいるレインを見て、何をしているのかと首を傾げてみる。
この後、レインについて行くための手段を考えなければなと思考を巡らせた。
「そんじゃ、とりあえず帰るついでに私が住んでる街まで送ってやるからあとは自分でどうにかしなよ。荷物運びご苦労様。」
考えは杞憂に終わったようだ。
レインは自分が住んでいる街まで同行させてくれるらしい。
遠くに、荷台のような物と数匹の猫らしき生き物が見えた。
きっとあれが迎えなのだろう、二足歩行をする猫など初めて見た。
「つれないこと言うなよ、レイン♥送ってもらえるのはありがたいんだけど、出来ればもう一つお願いを聞いて欲しいな♦」
ただ街に行くだけでは、現状は解決しないだろう。
まだ彼女の協力が必要だ。
心根は優しそうなレインのことだ、邪険に扱いはしないと予想し聞いてみる。
「…で、何さそのお願いって。」
思った通り、ため息をつかれはしたものの聞いてくれる気はあるようだ。
「ボクと…一戦ヤって欲しい♥」
「………は?」
今後のための布石として、さらには自分の欲望を満たすために。
ヒソカはレインに戦いを申し込んだ。
彼女が素っ頓狂な声を上げたのは、言うまでもない。
〜Side ヒソカ END〜