ボカロ歌詞小説
□ストリーミングハート
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彼の人間を愛するが故の計画を邪魔する存在・・・平和島静雄が、臨也は大嫌いだった。
だけどいつからか、気になる存在になっていた。
あの力、何もかもを壊すあの力が――
少し、羨ましかった。
――固定のしようもない感情の行き着く先はどこでしょう
だから今日も、臨也は静雄を挑発する。
「ねぇシズちゃん」
「君は、人間にはなれない」
「化物さ」
溺れそうになった代償にまた酸素を見つけちゃうんだ――
そしていつしか、彼の周りには人間が集まってきた。
臨也には向けられることのない、笑顔。
それを見た瞬間、どこか心の奥がざわついて。
得体の知れない感謝が深く渦巻くのを感じた。