the Philosopher's Stone

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いくつかコンパートメントを回ったが、トレバーの手がかりとなるものはなかった。

すこし不安になりつつも次のコンパートメントを開ける。


「おや」
「これはこれは」
「可愛らしいお嬢さんだ」
「1年生だな」


「・・・あー、ヒキガエル知らない?ネビルのトレバーが逃げ出したの」


そこにいたのは、同じ顔の2人とアフリカ系の男だった。何かゴソゴソと作っているようだ。


「聞いたか、相棒。ヒキガエルだってよ」
「知らないな」
「俺達は今それどころじゃない」



矢継ぎ早に繰り出される掛け合いに感心しつつ彼らの手元を見る。



「・・・何を作っているの?」


「お目が高いお嬢さんだ!」
「気になるなら見ていきな!」


双子にそそのかされアフリカ系の男性の横に座る。


「これを食べて!」
「さあ!」


差し出されたのはオレンジ色のトローチだった。


「・・・・・・」


怪しい。あまりにも怪しい。
何よりこの双子がすごく嬉しそうにニヤニヤしている。

杖を取り出し、知っている呪文を唱えた。


「・・・スペシアリス・レベリオ」

「「え?」」


「何コレ?こんなの食べたら、、」


「お嬢さんそんな呪文が使えるのか!」
「グリフィンドールに大歓迎だ!」


原材料を知るためにかえた呪文は私にすべての解を教えた。


「何でこんな、、、吐き気を催すような薬を、、、」


「ズル休みできるようにさ!」
「でもこのままだと本当に休むハメになっちまう」
「実験台が必要なのさ!」



「ズル休み、、、解毒剤として干しイラクサと黄金虫の目玉と、あと、ざくろ液を調合したものをセットにしたら?吐いても隠れてそれを飲めば安全にズル休みできるんじゃない?」


思いがけない新入生の言葉に双子のみならずもう1人も目を見開いた。


「これは驚いた!その手があったか!」
「お嬢さん、お名前は?」


「私はレイチェル・ゴドリクソン。よろしくね」


「俺はフレッド」
「俺はジョージ。そっちのはリー・ジョーダン」
「よろしく、レイチェル」


「さてさて、レイチェルのおかげで解決策も出たことだし」
「そのカエル探し手伝ってやろうか?」

「ほんと?おねがいしていいかしら?」

嬉しい提案だった。この広い列車の中私とハーマイオニーだけで小さなカエルを見つけるのは大変だったからだ。

「いってら。俺はお前らのせいで疲れたから寝るよ」

リーはひらひらと手を振って眠り始めた。


「つれないねぇ」
「あいつは俺達の実験第一号だからな」

「か、かわいそうよ」


しまった、と思った。
私の発言を聞いて双子がニヤニヤしている。


「じゃあ次からはレイチェルにおねがいしようかな」
「頼むぜ!」


「絶対に嫌よ!」












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