SHADOW (短編集)

□†その瞳の先には…†
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〜運命の放課後〜

シャドウ
よし帰ろう!
(ホームルームが終わると同時にガシッと鞄を肩にかけ、帰る準備をする)

絆奈
どうした。今日はやけに帰るのが早いな。

シャドウ
いや、今日は早く帰りたい気分で

刹那
まぁ大体察しはついてるけどね。

(全員正門まで歩いてると、見知った男の子が立っているのに気づき、声をかける)

シャドウ
あ。双葉の兄だ。

双葉(兄)
(皆に気付いて合図を送る)


双葉(兄)
どうも。

絆奈
どうした? 妹なら来てないぞ

双葉(兄)
いや、妹の方じゃなくて、実は壱無兄さんに渡す物が…

シャドウ
え、俺?
(自分を指差しながら前に出る。が、祢音の声が後ろから響き渡る)

祢音
壱無 シャドウ!
探したわ!

シャドウ
げっ

双葉(兄)
げ?(不思議そうにシャドウを見上げる)

祢音
それで、お昼の返事はどうなったの?

シャドウ
あ、ぁ〜、ん〜…
(目を背ける)

祢音
…(少しワクワクしてる)

双葉(兄)
どうしたの?
兄さん、女性が目の前に居るのにナンパしないなんて。

絆奈
あー。シャドウでも苦手な奴とか居るんだよ。

双葉(兄)
へぇー。意外。

シャドウ
ごめん! 今日急ぐ用事があるから、また今度!

祢音
待って!(去ろうとするシャドウの後ろ襟をガシッとつかむ)

シャドウ
ぅえっ 喉にっ
(喉を抑えると、グイッと前から襟を掴み目を見る)

祢音
壱無 シャドウ。
私、ずっとずっと、ずぅ〜っと壱無 シャドウが好きでした。
今、返事をお願いします!

シャドウ
で…、でも…

祢音
フッたって構わない。
私は壱無 シャドウが下した決断なら、諦めるから!
(じっと目を見る)

シャドウ
…ぅ…、うぅ……
(対応に物凄く困り、目を見ていられなく、横を向いて刹那に助けを求める視線を送る)

刹那
…………(心/僕に助けを求められても…。)

祢音
…………?(眉を潜め、シャドウの視線を辿って刹那を見ているのに気づき、交互に見てハッとして手を離す)

シャドウ
………?

祢音
ま…、まさか……、
そんな……
(相当ショックを受けている様子で、後ずさりする)

シャドウ
ど、どうしたの?

祢音
だって、だって…
(ふるふると震え)

壱無 シャドウの好きな人が…、“零裂 刹那”だったなんて…っ

(この発言に、全員一瞬ポカンとする)


シャドウ
ぇ…

刹那
…………。

絆奈
…シャドウの好きな人が…

双葉(兄)
零裂 刹那………。

祢音
認めない!
認めないわ私! フられるならまだしも、只の友達に見えた二人が実は…実は…っ〜

いやぁ〜!!(ぶんぶんと首を振る)

シャドウ
ちょっと待って!?
俺刹那が好きだなんて一言も言ってないんだけど!?

祢音
なら嫌い?

シャドウ
いや…、どっちかといえば…、好きな方だけど…

祢音
やっぱり!

絆奈
おい化け猫。
それじゃぁ逆効果だぞ。

シャドウ
え!?

祢音
きぃ〜! 零裂 刹那!
(ビシッと指を指し)

まさかライバルが現れるとはこっちも予想外だったわ!
壱無 シャドウから離れて!

刹那
好きじゃないんだけど。

シャドウ
ぐはっ←精神的ダメージ

双葉(兄)
うわ。壱無兄さんがえらいダメージを。

祢音
もう、もう!
もういい!!
私は絶対に諦めないわ。
零裂 刹那が諦めるまで、壱無 シャドウは渡さないんだから!

絆奈
それおかしいだろ。
普通逆じゃね?

祢音
ぅあぁぁぁ〜ん!!
(泣きながらダッシュし、帰って行った)

絆奈
すげーリアルなドロドロだったな。
きっと邪魔しにくるぞ。

刹那
……はぁ……(深い溜め息をつき、憂鬱そうに歩いて帰る)

双葉(兄)
あの、俺からは何とも言えないんですけど、一応頑張って下さい。
これ借りてたシャーペン。
(倒れてるシャドウの傍らにそっと置く)

シャドウ
……不幸だぁ〜…|||
(地面で落ち込んだまま呟く)




結果的に、祢音は諦めず、刹那には敵対心を抱いてしまったが、以前よりかはシャドウに一直線でやって来なくなったわけで…



祢音
零裂 刹那!
今日も何かいかがわしい事でも見せようものなら容赦しないわ!

刹那
もう…、ウザイ……

祢音
なんですって!



敵意が深まった事により、今度は刹那が被害をうける羽目になってしまったとのこと。










ーその瞳の先には…ー了
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