フェイトエピソード
□光華祭
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時刻は夕方、場所はベンディグ島。
カレンの調べによると、今日はここで光華祭が行われるらしい。
道には屋台がたくさん並び、夜になると光華が打ち上げられるのだ。
ンニ騒動の後、別行動だったラカムとオイゲンも合流し、皆思い思いに光華祭を楽しんでいた。
そんな中、私も浴衣を着込んで屋台が立ち並ぶ通路を歩いていた。隣には同じく浴衣を着込んだラカム。
お互いにあった出来事や光華祭のことなどを話し合いながら、ゆっくりと歩いていた。
?「おやおや、ラカムさんにヒサコさんじゃないですか〜」
横から声がかかる。
ラカム「ん?お、シェロじゃねぇか」
『この屋台はシェロちゃんの?』
シェロ『そうですよ〜。1本300ルピ、どうですか〜?おいしいですよ〜』
改めてディスプレイを見ると、ピンク色で雲みたいなもの。
それが割り箸にささっていた。
ラカム「お、わたあめか。懐かしいなぁ、ガキの頃は祭りのたんびに食ってたもんだぜ」
『わたあめ?』
初めて聞く単語に首をかしげる。
ラカム「ん?お前ひょっとして、わたあめを知らねぇのか?」
シェロ「おやおや、それはそれは。甘くってふわふわっーとしてて、とってもおいしいですよ〜」
『へぇー、じゃあシェロちゃん、1本くださいな』
ラカム「俺にも頼むぜ、シェロ」
シェロ「はいは〜い、わたあめ2つ。まいどあり〜」
シェロカルテはそう言って、鍋のようなものの中央にあいた穴に、何やらザラザラとした小さな固まりをレンゲ1杯入れる。
するとたちまちピンクのもやもやが出てきた。
彼女は割り箸を円を描くようにぐるりと鍋の中を1周させ、後は手元でくるくると割り箸をまわしていく。
ピンクのもやもやが瞬く間に割り箸にからみつき……
シェロ「はい、どうぞ〜」
『わぁ!ありがとう!すごいね、今の。おもしろい!』
シェロ「当店は実演販売ですから、お楽しみいただけたようで良かったです〜。今、ラカムさんの分も作りますね」