フェイトエピソード
□お礼
1ページ/1ページ
クロスフェイト「悪戯……できない」の続き
今日はハロウィン。
任務が終わり、合流したユーステスとベアトリクス。
お互いに任務の結果を話していたところに、ゼタとバザラガがやってきた。
四人で話をしているとお菓子をせがむ子供達がやってきて、ベアトリクスは追いかけられてどこかへ行ってしまった。
ユーステス「……はぁ」
バザラガ「なんというか、ベアトリクスらしいな」
ゼタ「まぁ、なんか楽しそうだったし、いいんじゃない?」
ユーステス「まったく、騒がしい。俺は平穏と静寂を望む」
ゼタ「それ聞き飽きた」
ユーステス「…………」
?「あれ?仏頂面の兄ちゃん?赤い姉ちゃんとツノ鎧もいるじゃねぇか!」
ゼタ「ん?ヒサコ達じゃん!」
ルリア「お二人もユーステスさん達と同じで任務なんですか?」
ゼタ「いや、あたし達は遊びに」
バザラガ「相棒がどうしてもと聞かなくてな」
ユーステス「そういえばヒサコ、さっきは協力してくれて感謝する」
ビィ「いいっていいって」
ゼタ「なに?任務の話?詳しく聞かせてよ」
ヒサコ一行は先程までのことを話す。
バザラガ「……なるほど」
ゼタ「無事だったとはいえそんな危ないことさせて!ちゃんとヒサコにお礼したの!?」
ユーステス「礼……か。何がいい?」
ヒサコはユーステスの言葉に少し考えてから口を開く。
ユーステス「耳……か。そういえばそんなことを言っていたな。……別に構わない」
そう言って、ヒサコがさわりやすいように少し屈んで目を閉じるユーステス。
許可が出たので遠慮なくさわることにした。
ユーステスの耳は短い毛がびっしりついていて、滑らかでとてもさわり心地がいい。
それにほんのり温かく、時々ピクッと小さく動いていた。
気持ちがいいのか、ユーステスの口元がほんの少しだけ緩んでいる。
だが、おそらく本人は気づいていないだろう。
普段仏頂面な彼の珍しい姿に悪戯心が芽生えたヒサコは、耳から手を離し、ユーステスの頬を人さし指でプニっと軽く押してみた。
ユーステス「……何をしている?……悪戯?……そうか、次からはちゃんと言ってからさわれ」
ビィ「(ちゃんと言ったらさわってもいいのか……)」
END