スパイに恋愛はご法度!

□買い物
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今日は街に買い物に来ている。
当分の間私が生活するのに必要なものを買ってくれるそうだ。
そういう好意に答えるのはいつものことだし、今回も例に漏れず貢がせることにした。

ランスロット「これなんてどうだ?ヒサコによく似合うと思うのだが……」

『あ、かわいい!え、でも本当にいいんですか?』

ランスロット「もちろんさ。ヒサコも記憶が無くて大変だろう。早く戻るといいな」

『そうですね。ありがとうございます!じゃあ…これ、とかどうですか?』

ランスロット「いいんじゃないか?では試着させてもらおう」



結局その店で上下3着ずつ購入してもらい、その後、街を案内してもらった。
そして現在カフェにいたる。

私はガトーショコラ、ランスロットは紅茶のシフォンケーキをそれぞれ注文した。

『おいしい!チョコが濃厚で甘さも調度いいです』

ランスロット「こちらも紅茶の香りが良くてとてもおいしいな」

『ランスロットさん、一口交換しませんか?』

ランスロット「ああ、どうぞ」

ランスロットが差し出してきたケーキを少し食べる。

『あ、ほんとだ!こっちもおいしい!』

ランスロット「うん、そっちのケーキもおいしいな。良かったらまた来ないか?」

『いいですね!他の種類も食べてみたいですし』

ま、たぶん叶わないけどな。



そして帰り道。
歩きながらこれからのことを考える。

昨日はお目当てのものは見つからなかった。
棚の裏とか天井とかも探してみたけど、隠し部屋とかそういう類いのものも一切なし。

となると、あるとすれば……
少し遠くにあるそれを見上げる。

ランスロット「ん?城が気になるのか?」

『あ、はい。大きいなぁって』

ランスロット「そうだな。国の象徴みたいなものだからな」

『ランスロットさんの職場もあそこなんですよね?何をしてるんですか?』

ランスロット「ええと、主に剣の鍛練や、他の兵達の訓練の様子を見たりしているかな。あとは雑務を少々。それから街に見回りに出ていることもあるぞ」

『うわぁ、なんか大変そうですね……』

ランスロット「確かに大変かもしれないが、俺は自分を鍛えることが好きなんだ。それに、他の兵達の成長を見るのも楽しかったりするしな。
そうだ、興味があるなら今度城に来てみるか?」

『えっ?いいんですか?』

ランスロット「ああ。家にいても暇だろう。ヒサコなら歓迎するよ」

「ありがとうございます!よろしくお願いします!」

いいのか、こんな怪しい人を城に入れて……
まぁ、どっかの騎空団の例もあるし、こっちとしては都合がいいから良しとするか。
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