フェイトエピソード

□光華祭
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できあがったわたあめを食べながら再び歩きだす。

『ほんとおいしいね、これ。甘いし口に入れたらすぐ溶けて不思議な感じだし』

ラカム「はは、だろ?なんかクセになるんだよな、これ」



ちょうど二人とも食べ終わった頃 、私は屋台であるものを見つけて目を輝かせた。

『あ、見てみて!ペンギーのお面!』

ラカム「はは、お面ってガキみてぇだな」

『あー、ひどーい!いいじゃん、可愛いじゃん!』

ラカム「へいへい、悪うございました。えーっと、射的か。欲しいのか?」

『うん!』

ラカムカ 「よし、なら任せとけ!にいちゃん、これ1回頼むぜ」

店主「はいよ。1回5発。倒れたら商品ゲットだよ」

銃を受け取ったラカムはコルクの弾をセットする。

狙いを定めて……パン!

店主「あー、惜しいね、お兄ちゃん。当たったんだけどねぇ……」

ラカムの撃った弾は確かにペンギーのお面に当たった。
しかし、一向に倒れる気配はない。

ラカム「あーくそ!次こそ!」

パン!……パン!……

残り4発、全て吸い込まれるかのように標的に命中。
しかし、ついにそれが倒れることはなかった。

ラカム「おいおいおい、どうなってんだこりゃ。おい、なんかインチキしてんじゃねぇだろうな!?」

店主「いえいえ、まさか。当たりどころ悪かったんじゃないですか?」

ラカム「んだとー!?」

『もういいよ。行こ、ラカム』

今にも店主の胸ぐらを掴みそうな勢いのラカムを急いで止める。

ラカム「いや、でもよ……」

『私は大丈夫だから。それよりおなかすいちゃった。焼きそば食べたいな』

ラカム「う、うーん……。まあ、お前がそう言うなら」

納得はしていないが、私の言わんとしていることがわかったのか、渋々という形でその店を後にした。
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