フェイトエピソード

□クリスマスだね☆
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クラリス「あ!見て見てー!このクッキー、サンタクロースの形してるよ!…こっちはクリスマスツリーだ!かわいいー☆」

道にずらっと並ぶお店の中でクラリスが立ち止まったのは小さなお菓子屋だった。

『なんなら食べるか?』

クラリス「えっ?いいの!?やったぁー☆」

『ふふ。店主、この6つ入りのやつください』

店主「はいよ」

一番小さいセットを買い、俺達は店を後にする。

クラリス「かわいくって、サックサクで、甘くって、すっごくおいしー☆」

『バター味のサンタもチョコ味のツリーもどっちもうまいな』

食べ歩きながら感想を言いあう。

『おいしいものを引き当てるとは、さすがクラリスだね』

クラリス「えっへん!なんでもクラリスちゃんにおっまかせー、だよ☆」



――空が暗くなってきたな。そろそろだろうか?
そう思い、時計を見る。
……うん、ちょうどいいかな。

『ねぇ、クラリス。君に見せたいものがあるんだ』

クラリス「え?なになに?」

『ふふ、こっちだよ。それがなにかは着いてからのお楽しみさ』

スッとクラリスの手をつかんで歩き出す。
彼女は、一瞬とまどったような素振りをみせたあと、ギュッと握り返してくれた。



しばらく歩くと、やがて大きく開けた広場についた。

クラリス「うわ、人がいっぱい!
ん?…おぉー!おっきなクリスマスツリーだね☆ ねえねえ、見せたかったのってこれ?」

『ああ。でも本番は……』

そう言いかけたとき、バッと辺りが真っ暗になる。

クラリス「えっ!?どしたの?停電!?」

驚きの声をあげてキョロキョロと辺りを見渡す彼女。
でもそれは束の間のことで、すぐに感嘆の声に変わる。

クラリス「わぁ……きれい」

どこからか聞こえてくる音楽。
それに合わせて広場全体、そして大きなクリスマスツリーから溢れる光。

本日のメインイベント、イルミネーションだ。



数分後――

幻想的なイルミネーションが終わり、元の点灯に戻る。

『どうだった?』

クラリス「すっごくきれいだった!ユウキが言ってたのって、これだったんだね☆」

『うん。満足してもらえたようでよかったよ』

クラリス「うち一人で見てもきれいだっただろうけど、ユウキと一緒だったからもっときれいに見えたと思うんだ☆」

なんて、かわいいことを言ってくるもんだから、俺は思わず彼女を抱きしめた。
彼女はそれを受け入れたのか、すりすりとすりよってくる。

普段の明るくて少し騒がしい彼女も好きだけど、こうして俺だけに見せる甘えた彼女もたまらなく愛しい。

『メリークリスマス、クラリス。これからもよろしくな』

クラリス「うん、ずっと一緒だかんね」



END

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