フェイトエピソード
□キミの笑顔に……
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そして、決戦の日――
イオ「どうしたの、ユウキ?こんなところに呼び出して」
現在、食物倉庫の前。
食事の後なら滅多に人がこないとオイゲンさんとラカムさんに教えてもらっていたので、ここを決戦の舞台に選んだのだ。
不思議そうな顔をして俺を見るイオ。
本当にかわいいなぁ。
……っと、見とれてる場合じゃなかった。
『えっと、イオ。来てくれてありがとう。実は大事な話があるんだ』
イオ「大事な話?」
『う、うん……
あの、その、えっと……あー、だから、その、つまり……』
うわ、思ったより緊張する……
つか頭真っ白。
昨日の夜あんなに何を言おうか考えたのに、全然思い出せねぇ……
イオ「んもう、なんなのよ!はっきり言いなさい!」
『はい!好きです!』
イオ「……え?」
うわぁ、しまった!つい言っちまった!
はっきりって……はっきりすぎだろ俺!
『あ、いやその、違っ……いや、違くない!
イオ!初めて会ったときから好きでした!
俺と……俺と付き合ってください!』
ううう、恥ずかしい……
俺今どんな顔してんだろ?
てかどんな顔するのが正解なんだ?
イオ「……えっと、つまりその……え?」
目の前のイオは相当混乱していらっしゃる。
イオ「あ、あの……ごごごごめんなさーい!」
タタタタタッ
えっ?
逃げるように俺から走り去っていくイオ。
そんな彼女をただ呆然と眺めている俺。
………終わった。
さらば、俺の初恋――
それからというもの、イオは俺を見るたびにそそくさと去っていくようになった。
気まずい……
こんなことなら告白なんてしなければよかった。
カムバック、あの頃!
一週間後――
今日はイオと二人で任務。
俺たちを見かねた団長がとりはかってくれたようだ。
だが、以前の俺なら喜んでいただろうが、今はとにかく気まずさしかない。
出発前に俺にだけ、仲直りしてこい、と言った団長の顔がちょっと怖かった……
ここでイオとの関係を元に戻さないと身の危険を感じる……
いや、勿論元に戻れるなら俺としても万々歳なんだが……
『あ、あの、イオ』
イオ「……なぁに?」
『今日の任務早く終わるといいね』
イオ「……そうね」
『弱い魔物だったらいいね』
イオ「……そうね」
うわ、会話続かねえ……
時間とは無情なもので、気まずさの漂う中、あっという間に目的地に到着してしまった。
『ていっ!やあっ!』
イオ「はぁ!」
今回の任務は畑を荒らす魔物の討伐。
俺とイオは順調に魔物を討伐していく。
俺は晴れない気持ちやイライラを全て魔物に八つ当たりするかのように剣を振るった。