フェイトエピソード

□家臣にしてください!
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あのあと聞いた話だが、遠征の帰りに魔物に襲われている民間人を見つけたらしい。
助けようと慌ててその民間人を突き飛ばしたところ、魔物にやられたと……

まったく、後先考えないやつめ。
民間人の手を引いて避けさせるなり、魔物の方を突き飛ばすなり、他に方法はあっただろう。

そんなことを思いだし、若干イライラしながらヒサコの病室に向かった。

また側の椅子に腰かけ、ヒサコをじっと見つめる。

いつまで待たせるつもりだ……
早く起きろ……!



『ん、んんう……んぁ?』

目を開けるとなんとなく見たことのある天井。

ここ、医務室……?

そっか、あの人を助けようとして、私は……

チラチラと辺りを見回すと、視界に入ったのは赤い鎧……って!

『パーシヴァル様!?』

思わず叫んで、バッと起きあがってしまった。

どうして……?

パーシヴァル様……
昔私が魔物に襲われたときに助けてくれた人……
それ以来騎士に憧れ、この黒竜騎士団に入団した。

この騎士団に入ってからしばらくたったころ、私はある噂を耳にした。
それは、パーシヴァル様は自分が認めた人を家臣と呼ぶ、というものだった。

パーシヴァル様に家臣にしていただけたら、
そのときこそ、真の騎士になれるんじゃないか……
そう思ってパーシヴァル様に近づいた。

なんとなく邪険に扱われてるような気はしていた。
だからこそ不思議なのだ。
なぜ彼が今ここにいるのかが……
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