松詰め詰め

□[十四松]小さな哲学者
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「うーん、こっちの帽子かなあ・・・女の子受けいい方は・・・。」

「流石にこの服で、街を歩くのは恥ずかしいかな・・・。」

おそ松、カラ松、一松、十四松はどこかへ出かけてしまい、部屋にいるのはチョロ松 、トド松のふたりだけ。なんだか自分たちだけ家にいるのは悔しくて、ふたりも、それぞれ出かけることにした。

「たっ、ただいまっスル!!」

派手な音を立てて、ふすまが引かれる。

「あ、お帰り十四松兄さん。」

「どこ行ってたんだ?」

「んーとね・・・えっ!?どこか行っちゃうの!?」

十四松が叫ぶ。一人ぼっちにするのはちょっとかわいそうだが、申し訳ないけど、連れて行ってあげよう、とは思えない。

(だって、恥ずかしいし。)

(扱いきれなくて、めんどうなことになるのはごめんだな・・・。)

「ごめんね。」

「帰ったら、野球してあげるから、多分。」

「そっかあ!んじゃあ、ちゃんと留守番頑張る!」

相変わらず元気一杯にそう言うと、十四松は、二人から少し離れたところにあぐらをかいて座った。着ていく服や帽子を悩みながら選ぶふたりを、じっと見つめる。

(良かった。諦めてくれた。街に連れて二人で歩くのは、恥ずかしいな、やっぱ。)

(普通じゃなさすぎるもんな。俺たちだって、ちゃんとしてる人間ではないけど、十四松は、ひとりだけぶっとんでるし。)

「・・・ねえ、チョロ松兄さん、トド松?」
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