松詰め詰め
□[カラ松]硝子の偽物
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! 一松視点で進んで行く予定です。
とろんとした、なんでもない日の午後。
目的もなんにもない6人は、それぞれ思い思いのことをしながら、のんびりと時間を過ごしていた。
「暇だね〜。」
おそ松兄さんが、「パチンコ新台入れ替え」と書かれたチラシを見ながら呟く。
気のない返事が返ってくる。そんな中で、アイツは、いつものように口を開くのだ。
「外は青い空がきっと気持ちいいぜ、マイブラザー。こんな日には海に行ってみないか?現実からのとうひこ・・・。」
「ねえねえ!そーいえばさ、昨日、母さんが知り合いの人にお菓子もらったんだって!」
「まじか!十四松、なんでそれを早く言わないんだよー?」
「忘れてたっス!」
「もらいに行こーっと。」
「おい、トド松!最初は長男の俺からだぞ!」
一斉に部屋から出て行く中に混ざりながら、視界の端に、手鏡を放り出して慌てて立ち上がる、クソ松ーーーカラ松の姿が見えた。
焦った表情に、ふと、昔のことが懐かしくなる。
自信に溢れた、腹が立つような顔。いつからだろう。気がつけば、昔のことを、思い出していた。