漆黒の天使

□five
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時は過ぎ、ただいま大阪に来ております。


そうなったのは園子が蘭を大阪のパーティーに招待したから。ついでに私も誘ってもらったという感じである。


大阪のパーティーとはなんぞやというと鈴木財閥と大阪の財閥が共同で作り上げたホテルのオープニングイベントということらしい。そこら辺の細かい事は聞いてないのでいまいちわからないが大した問題ではない。
友達に遊びに誘われてそれに行く、それだけだ。


コナンさん、蘭、園子、毛利さん、そして私のメンバーで新幹線に乗り、大阪まで向かう。途中でカードゲームをしたりお菓子を食べたりと懐かしの遠足気分だ。どんな遠足だったかは覚えていないが、その気持ちは覚えている。



「あ、蘭ちゃーん!!」


「和葉ちゃん!」


『?』



声が聞こえて振り返ると大阪弁の可愛らしい女性が手を振りながら走りよってくる。例の如く顔は一方的によく知っている人だ。ということはナイトもいるだろう。



「久しぶりやなぁ蘭ちゃん、園子ちゃん!お招きほんまおおきにー!」


「いいのよ!友達はいくら招待してもいいって次郎吉おじ様から言われてるんだから」


「ドレスも貸してくれるてゆーてたし、めっちゃ楽しみやわ!」


「そうなの!?」


「うん!蘭ちゃんのドレス姿も見れるなんて楽しみやわぁ……ん?」


『!』



私に気付いたようだ。取り敢えず会釈をすると彼女の目が大きく見開かれているのがわかった。何か驚かすような事をしただろうか?



「何このめっちゃべっぴんさん!!初めましてやなぁ、ウチ遠山和葉ゆうねん。和葉って呼んでや、よろしゅうな!」


『ぁ……秋桜魅也です』



本当に女性陣は圧が凄い。私の両手を取ってブンブンと振り回す和葉は何がそんなに嬉しいのかニコニコしている。



「やめぇや和葉。ねえちゃん引いてるで」


「平次!」



やっと登場した。多分彼女が走り出しておいてけぼりを食らったのだろう。それでのんびり近付いてきたと。



『えっと……』


「俺は高校生探偵の服部平次や。よろしゅうなねえちゃん」


『秋桜魅也です……ん?高校生探偵?』



自己紹介に高校生探偵って入れるところが流石この世界。反応しておくと彼は得意げに腕を組んだ。



「東の工藤、西の服部って結構有名でな、ねえちゃんも工藤の知り合いやろ?アイツとは推理対決した仲でな」


「もう平次!また推理の話持ち出さんといてーや!」



和葉に止められた服部平次は少し不貞腐れ顔だ。これやから女はと言いながらコナンさんに同意を求めている。彼は呆れ笑いだ。



「取り敢えず一旦ホテルまで行きましょうか。パーティーは夜だし、それまでは大阪観光でもしてきなさいよ」


『してきなさいって……園子は?』


「私は次郎吉おじ様の手伝いに行くから、アンタ達で楽しんで来なさいな」


「そっかぁ、手伝いならしゃーないなぁ」



残念そうな和葉。園子はまた今度ねとにこやかいって歩き出す。皆で駅から出るとタクシー乗り場に黒塗りの車が止まっていた。驚きのリムジンですか。まったく車種わからないけど高いということはわかる。
てかタクシー乗り場に私物の車を止めていいんかい。流石お金持ち。



一度ホテルへ向かい、女子部屋と男子部屋で別れて荷物を置く。男子はすぐ隣だからか、毛利さんの怒鳴り声が小さく聞こえた。高級なホテルだから聞こえることは無い。ただ私の耳がいいだけだ。普通なら聞こえない。



「そうだ!大阪観光もだけど、ドレスはどうする?あれだったら直接見て選ぶ?」


「ほんま!?見たい見たい!!」


「私も!」



こういう所を見ると女の子だなぁと思う。私はパスでというとええ!と批難の声。だって興味ないし。



『男性陣と先に観光でもしてます』


「ん〜わかった。後で行くね」



蘭に手を振って男性陣の部屋に向かう。チャイムを鳴らすとドアが開けられ、色黒男子が登場。服部平次だ。



「どーしたんやねえちゃん。和葉らは何処おるんや?」


『蘭達は夜のパーティーのドレスを選びに行くって言ってたので、その間に男性陣と大阪観光に行こうかと』


「やってよ、工藤」


「ああ、わかった」



部屋からコナンと服部平次が出てくる。毛利さんは?と聞けばお酒を飲んでのんびりしたいからパスだと。



『……謎メンツ』


「だな」



服部平次の前でこの態度と言うことは彼は知っているんだろう。工藤って口走っていたし……このメンツはこれでありだ。








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