CuteなSugar

□ホワイトデー
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【ホワイトデー☆2】CuteなSugar




で、電車に乗って現実に引き戻される。


ホワイトデーだったよな?
雅紀より先に帰って、、、買い物行ったら、夜には間に合うかな?

そうだ、そうしよう!

雅紀の家なんて二軒隣なんだから。
二軒隣っつったって、真ん中は空き地で実質、隣みたいなもんなんだから。



「で、しょーちゃん、いいかな?」



「おぅ!いいよっ!」



「良かったー。一人でお返し渡しに行くの自信なかったし。
しょーちゃんが付き合ってくれるなら、心強いや…」



「え?付き合ってって・・・」



「じゃ、放課後渡すからさ?
先に帰らないでよ?約束だよ?」



え?
よく聞いてないのに返事しちゃった?

これだと放課後は家まで一緒コース?
それは、それで嬉しいけど♪

けど、お返しどーすんだよっ?



一日、色々考えたけど、どうするか決まらないまま、放課後になる。



「しょーちゃん、行こ?」



「おぅ…」



「えっと…E組の有岡さん・・・」


俺は、紙袋持って、雅紀の隣で待機係。

チラっと渡すリストを見たら、雅紀の母ちゃんの字だった。

俺に、ママ、ママ言うなって言うくせに、自分だって母ちゃん任せじゃん!
お返しだって母ちゃんお手製のジンジャーマンクッキーじゃん!


けど、母ちゃん任せで良かった・・・。


雅紀が必死にお返し選んだりしてるとこ考えるだけで凹むよな。


リストの三人目のところへ行く途中から、急に雅紀の回りに女子が増えてきて、廊下中に『相葉くんがお返し配ってるんだって!』とキャーキャー騒ぐキンキン声が響き出す。

まぁ、ついでに俺もキャーキャー言われたけど…。

そんなことより、雅紀がニコニコしてるから苛立ってきた。

雅紀は、リスト見ながら『えっと、智美さんいますか?』とか『潤子ちゃんってどの子ですか?』とか聞いて、ひとつひとつ手渡ししていく。

ジンジャーマンクッキーが、なんだっつーの!

言っとくけどな?
そのクッキー、最高に旨いんだからな?
雅紀の母ちゃん、俺の分、残してくれてるかなぁ?


なんて考えてたら、雅紀からただならぬ台詞が吐き出された。



「ごめんね…せっかくチョコ貰ったけど。。
あの、オレね、好きな人、いるから。
だから、ほんとごめんね?」



好きな人、、、いるの?
嘘だろ?


今まで、そんな話一度だって聞いたことないし。
中学の時だってモテてんのに、気付いてねーの?ってぐらい興味持ってなかったし。

高校入って、先輩の中では、雅紀のファンクラブまで出来てんのに、こいつはバスケしか頭にないし。。。


と、思っていたのに。


好きな人、、、いたんだ。。。


全然、知らなかった。



気付いた時には、ジンジャーマンクッキーはすべて無くなってて、雅紀と何を話したかもわからないまま、電車に乗って最寄り駅に着いてた。



「しょーちゃん?
具合悪いの?なんだかボーっとしてるけど。」



「あ?ううん…」



雅紀が心配そうな顔をするから。

そうだよな、好きな人いても応援してやらなきゃな!
俺がくよくよしてたって仕方ないし!


って、、ヤバイ!
そんなことより、ホワイトデーが・・・。


学校側の駅なら、まだお店もあったから、雅紀と一緒に何か買ったり出来たのに。。。

家のほうの最寄り駅といえば。
寂れた商店街もどきと、、、あるのは中学から御用達の、アラシナルドのみ。



「あ、あのさ?雅紀…
あの、、ホワイトデーのことなんだけど。。。」



「ホワイトデー?」



「いや、だからさ?
雅紀にお返ししようと思ってたんだよ。
ほんとだよ?チョコくれたじゃん?」



「あっ、あー、、///
あれ、忘れてよっ!」



いや、忘れてって言われても。。。
あ、そうか、、好きな人がいるから、だから忘れろってこと?



「あ、だからさ?
アラシナルド行かね?
俺、奢るからさ?」



「いいのっ??」



「おぅっ!好きなだけ注文していいから、な?」



雅紀が『しょーちゃんっ♪』って急に抱き着いてくるから、俺は頭がクラクラした。


あん♪アラシナルドでこんなに喜んでくれるの、雅紀だけだよぉ♪♪♪


やっぱ、諦めたくない!
こんなに俺のこと考えてくれて、一緒にいるだけで幸せになれて、靴下履かせてくれるのは、雅紀しかいない!

いつか、パンツまで履かせて貰うのが俺の夢なんだから!
だから、それまで諦めたくない!




…つづく…
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