CuteなSugar

□ぱんつを履いた猫
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櫻葉【桜色のパンツを履いた猫☆1】CuteなSugar





大学に入って2年目の夏休み。

オレとしょーちゃんは同じ大学で、同じ学部に通っている。


もちろん、一緒に暮らしてて、朝は、しょーちゃんを起こして靴下だって履かせてあげてる。



「しょーちゃんっ!起きて?」



「まさきぃ、、ヤリたい♪」



グイって引っ張られて、ベッドに倒れそうになった身体を慌てて腕で支えた。



「今日、時間ないでしょ?
間に合わなくなっちゃうよ?」



オレは、しょーちゃんのおでこにチュってして、それから しょーちゃんの腕を引っ張って無理矢理起き上がらせた。



「はぁ、、行きたくねぇ…
夏休みなんだぞ?
ヤリたい放題の夏休みなんだぞ?」



「んもー!
そんなにされたら、身体がもたないからね、オレ!
それに、今日は、お琴習いに行く日でしょ?
早く支度しよ?
で、帰ってきたら、いっぱいチューして?」



こう言うと、しょーちゃんはベッドから飛び下りてくれるんだけど、今日は少し違った。



「お前、言ったな?」



「うっ、、、うん…」



「武士に二言はないからな?」



「うっ、、、、」



ヤバイ!
なんか、いつもと違うんだけど…。

ベッドから降りたしょーちゃんは、オレをギューって抱き締めてきて『目移りするなよ…』って。

ちょっと、おっかない声で言ってくる。



「目移りって…」



「はぁ、行きたくねぇっ!
どーせ、雅紀がキャーキャー言われんだろうなぁ…。」



キャーキャーって、言われてンのは しょーちゃんのほうじゃん!




今日は、秋の学園祭に向けての打ち合わせだった。

毎年、近くの大学と合同で演奏やダンスを披露してるんだけど。


そこ、、共学なのに、学部のせいか女子がほとんどなんだよね。

うちの大学は逆に、男子が多いんだけどさ。


タイプの違う大学だからか、交流を持つことが多いって言われてるけど、所詮、合コンのデカイバージョンみたいなノリで、みんな彼氏や彼女を見つけてるんだ。


そんな中でも、しょーちゃんとオレのことは、大学でもすぐに広まった。


大学でも“櫻葉会”は健在で、それだけじゃなくて、薬局のおばちゃんとか、スーパーのパートさんとかからまで『応援してるわよ』なんて言われる始末。


嬉しいけど恥ずかしいんだよね。


利点といったら、しょーちゃんが『付き合って下さい』って言われなくなったことぐらい。

大学に入ったばかりの頃は、しょっちゅうだったからさ?

今では、『応援してます!』とか『せめて握手して下さい』とか、そんなことが多い。


しょーちゃんとオレの中で、

・握手まではOK
・プレゼントは貰わない
・写真は撮らない

って、約束まで作ったぐらいなの。



だから、気が重いのはオレも一緒。

ううん、人見知りな分、オレのほうがドキドキそわそわしてンだからね?


なのに、しょーちゃんったら…



「雅紀ぃ〜パンツ持ってきて〜♪」



なんてバスルームから叫んでる。

んもー!パンツぐらい自分で持ってってよ!


で、持っていったら、マッパのままリビングで朝御飯食べてる。


マッパで出てくるなら…自分でパンツ取りに行ってよ。



「しょーちゃん、パンツここ置いとくよ?」



「おぅっ!
なぁ、お前、その格好で行くの?」



「う、うん…おかしいかな?」



「ボタン…」



「ぼたん?」



「もうひとつ留めとけ!
見えすぎだから…」



「あっ、、うん…」



「それから、そのズボンは折るな!」



「えっ?これ、こういうデザインなんだけど…」



「だったら違うの履いていけ…
脛毛とくるぶしを見せるな!」



「うっ、、いちいち、すねげって言わないでよぉ////」



こうして完全武装をさせられて、しょーちゃんとオレは、大学に向かった。






…つづく…
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