CuteなSugar

□胸いっぱいの愛
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櫻葉【胸いっぱいの愛☆4】CuteなSugar





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目を閉じて
雅紀の手を俺の胸にあててみて
俺の鼓動がドキドキしてるのわかる?
雅紀にもちゃんとわかる?
雅紀も同じように感じてる?
俺が夢をみているだけ?
この炎は永遠に消えることはないよな?

俺は信じてる
それは運命だから
雅紀の眠りをいつまでも見守り続けるから
雅紀と俺はぴったりひとつだから
雅紀も同じように感じてる?
俺が夢をみているだけ?
二人の熱い想いは永遠の炎になって燃え続けるよな?

俺の名前を呼んで
雨の中に陽の光りが射し込んできたみたいに
孤独な人生も
雅紀がやってきて痛みを軽くしてくれる
俺はこの気持ちを失いたくない

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耳から、女性ボーカルの甘く切ない声が聴こえてきた。
メロディーは、泣きたくなるほどしっとりしたバラードなのに、しょーちゃんが訳してくれた歌詞は、熱い想いが詰まってて・・・。



「しょーちゃんっ、、、」



しょーちゃんはオレの手を取ると、それを自分の胸へと導いた。

ドクッドクッと掌から鼓動が伝わって、しょーちゃんの命がそこにあるんだと感じることができた。

たった、それだけのことなのに。
どんなに我慢しても、涙が出てきてダメだった。



「雅紀、、俺の心臓が動いてる限り、お前を裏切らないし、ずっと守りたいし、一生離れたくない。」



「ふぇっ、、しょ、、しょ、、ちゃ、、オレ、、も、、グスッ、、」



「そんなに泣くなよ・・・」



しょーちゃんに肩を抱かれながら、何度もその曲を聴いた。
聴きながら、しょーちゃんの歌詞を何度も何度も読んでは、また泣いた。



「雅紀?」



呼ばれて歌詞の紙から顔上げると、しょーちゃんの熱い唇がオレに重なってくる。
それまでと同じように、まだまだ軽いキスだったけど。

その時のオレにとっては、二人の熱い想いが炎になったみたいな、そんなキスだった。


その夜、駅までの帰り道を間違えて、自宅の最寄り駅に着いた時には、終電2本前の電車だったんだ。




***


あの夜、駅前で構えて立ってた、しょーちゃんパパと、オレのじーちゃんのおっかない顔は、今でも忘れられない。



「雅紀、、あの時、悪かったな…」



「えっ?」



「サッカー部のやつにさ?
付き合ってるみたいに言っちゃってさ?」



「なんで?気にしてないよ?
御礼が言いたいぐらいなのに。」



しょーちゃんが、そうやって堂々としてくれたから。
だから、噂はなくなった。

そう、噂じゃなくて、本物の話になったから。
しょーちゃんとオレが開き直ると、逆にからかってくるヤツは減っていった。

それに、、あの神社での想い出は、その後色んな場面でオレを助けてくれたから。



「あの時、俺にも正解がわからなかった…
だから、二者択一したんだ。」



「二者択一?」



「そ、、簡単だろ?
隠すか、ぶっちゃけるか、だ!
濁すってことまで頭が回らなかった。
雅紀に電車の中で、“怖いって言えば良かったじゃん”って言われた時、、
やられたーって思ったわ。」



「そんなこと考えてたの?」



「だからさ?罪滅ぼしみたいなもんで、、その曲はさ?
雅紀に嫌われたくなくて、それで夜中に歌詞を訳して準備してたんだ。
いつか、雅紀と一緒に聴きたいと思ってたから。」



そう言うと、オレの手を取って、自分の胸へと充てさせる。


もう、そんなことされたら・・・。


あの日と同じように、しょーちゃんの鼓動が伝わってくると、それに合わせるように涙が零れてきた。



「しょーちゃ、、、オレ、、グスッ」



言葉が出てこなかった。
どんなに好きだと伝えたくても、上手く伝えられない気がして。

だから、オレもしょーちゃんの手を取って、自分の胸に持ってきた。


しょーちゃん、、オレの鼓動がわかる?
オレの熱い想いは炎になって消えることはないから。

きっと、何年経ったとしても、しょーちゃんとオレのドキドキはいつまでも変わらない。


永遠の炎で燃え続けるんだ。



しょーちゃんは、オレの胸に手を充てたまま、熱い唇を重ねてきてくれた。





…おしまい…
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