CuteなSugar
□ツンパを履かせて貰う日
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【ツンパを履かせて貰う日】CuteなSugar
オレたちは幼馴染みだった。
産まれる前から、母ちゃん同士が仲良くしていて、幼馴染みというより兄弟みたいに育ってきていた。
そんなオレたちだけど…。
高校1年の時のバレンタインに、オレからしょーちゃんにチョコを渡し、1ヶ月後のホワイトデーには、しょーちゃんからアラシナルドとファーストキスを貰った。
めでたく両想いになったオレたちは、あれからもずっとずっと仲良く暮らしている。
*両想いになってから70年後*
「しょーちゃん!ほら、パンツ履いてってば!」
しょーちゃんが寝坊した日は、いつも着替えを手伝ってきた。
もちろん、靴下だって履かせてきたよ?
でも、しょーちゃんがパンツを履かせて欲しかったなんて知らなかったからさ?
もっと早く言ってくれれば、パンツだっていっぱい履かせてあげたのにな。。。
今では、寝る前に、しょーちゃんにパンツを履かせることが日課になってるけど…。
しょーちゃんはなかなか履いてくれない。
「えー、、これ、蒸れるからやだよぉ…」
そう言って、部屋の隅へと逃げていく。
「これ、新製品だし、蒸れにくいって!
もぅ、ベッドに漏らすよりマシでしょ!」
「なんで俺ばっかなの?」
「しょーちゃんだけじゃないよ?
オレなんて2回分バッチリ吸収タイプだよ?」
オレのほうをチラって見て、近寄ってくると、オレのスウェットのウエスト部分から中を確認してくるしょーちゃん、、、。
んもー!
毎晩、同じやり取りの繰り返し。
それでも、そんなしょーちゃんでも、かわいくて大好きだから、オレは自慢気に“2回分バッチリ吸収タイプ”を見せつけた。
早く履かせてあげないと風邪ひいちゃうしさ?
「ね?歳取ったんだから…
いつまでも若くないんだからさ?」
「雅紀が履いてるなら、俺も履いてもいいけど…」
お?
今日は、いつもより素直じゃん♪
だいたい、いつもは、俺もそっちがいいと、ごねだして、履いたら履いたで、暑いとか蒸れるとか文句言ってなかなか寝ないからね!
「じゃ、しょーちゃん、足あげて?」
「履かせてくれんの?」
もう、何回も履かせてきたじゃん!
だけど、嬉しそうにさ?
オレの肩に掴まって足を上げるしょーちゃんは、ほんと昔から変わらないし、かわいいんだ。
しょーちゃんに、新製品のアラントを履かせて、ベッドへと連れていく。
ほら、、やっぱりだ。
嬉しいよ?嬉しいけど、もうダメ!
「しょーちゃん、腕枕はダメって言ったでしょ?」
「えー?俺のこと嫌いになった?」
「そうじゃないでしょ?
また、疲労骨折になっちゃうよ?
ほら、手、繋ご?ね?」
しょーちゃんの手を取ると、ふにゃって笑ってくれる。
昔は、もうちょっと、ふっくらした手だったけど。
今では、ゴツゴツっとした年季の入った手。
もちろん、オレだって同じなんだけど。
人は手に年齢が出るって言うけどさ?
二人の歴史がそこにあるようで、オレは、どんな手になっても、しょーちゃんの手を離したくないと思う。
「しょーちゃん、明日は公園に行こうか?」
「桜咲いてるかな?」
「桜はまだかなぁ?
桜が咲いたら、お花見しようね♪」
少し身体を傾けて、しょーちゃんの頬っぺたにキスをする。
「雅紀、、俺と一緒にいたこと…」
「してないよ。後悔なんてしたこともないよ。」
「そっか…桜、、、」
「まだ、咲いてないよっ!」
早く寝て欲しい。
うざいからとかじゃない。
寝る前のしょーちゃんは、たまに悲しいことを言い出すから。
「雅紀、、、死ぬまで一緒にいてくれる?」
「しょーちゃん、、、グスッ
しょーちゃん、それは言わないでよ。」
産まれた時からずっとずっと一緒だった。
しょーちゃんより先に死ねないって思うし、しょーちゃんをひとりに出来ないってわかってる。
でも・・・。
しょーちゃんが隣に居ない日々を想像出来ない。
だから、そんなこと言わないで…。
「しょーちゃん、死んだ後も、産まれ変わっても、ずっとずっと一緒だよ。」
「そうか…雅紀とずっとずっと一緒なんだな。」
しょーちゃんはオレの手をギュっと握り返してから、安心したように眠りについた。
…おしまい…