Still...


□Still...
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【1】Still...


†車輪が回り出したら†




俺は局の廊下の影から、あいつの楽屋を見張っていた。


あいつとは、風間俊介!


あいつと雅紀の動向を探るために、ニノに協力して貰って、風間のメールの内容を確認するためだ。

俺は、スマホを片手にニノと連絡を取りつつ、楽屋の見張りを兼ねて中に忍び込んでくれたニノに指令を出す役目だ。


ここに至るまでには、訳があったんだ。




***


だいたい、風間は俺の雅紀に近付き過ぎなんだよな…。

まぁ、俺と雅紀が付き合ってるっていうのは、メンバーしか知らないし?
マネージャーにも隠してるぐらいだし。。。

風間に“相葉くんとは親友です”って言われたらそれまでだけどさ?

親友ってだけで、雅紀があんなに甘えたりするのか?


俺なんか、俺なんか…もう、ずっと長いこと雅紀と一緒にいるのに。
未だに、雅紀を独占した気分を味わったことがないし。

雅紀は、マネージャーや世間の目を気にして、なかなか俺とのエピソードを語ろうとはしないし。
ま、そこは仕方ないにしても。。。


だからって、風間との、にゃんにゃんメールを世間に公表したら、誤解されるだろ?


嵐ファンの間では有り難いことに、俺と雅紀のコンビがラブラブチックに根付いてきてるってのに、巷じゃ「今は風相が主流」なんて言われてるとか、いないとか?(泣)


だいたい、なんで付き合ってる俺ばかりが貧乏くじ引かなきゃなんないのよ?


それに、名前からして有り得ないでしょ?


風間だよ?


嵐の“山”と“風”の“間”に割り込んで、俺と雅紀の仲を引き裂くような名前だよ?

それに俊介ってなんだよ?
サッカーが上手いわけでもあるましい。。。


そんな気分を抱えて毎日を過ごしていたら、俺の肩を叩く男が現れた。



「翔やん…ずいぶんと、お疲れじゃないですか?」



「あぁ、ニノ…わかる?」



「あいつ、、でしょ?」



「お前、、すげぇな…」



「相葉さんの携帯…
暗証番号が変わったから気にしてるのかな、、と?」



うっ・・・!
さすが、ニノ!

そんなことまで知ってたんだ。



「お前も雅紀の携帯見てんの?」



「私は、、、見てるわけじゃないですけど?」



いや、見てなかったら、暗証番号変わったのなんて気がつかないだろ?

こいつも、、、こいつも、実はライバルなのか?


そんな俺の心を見透かすように、ニノは言い放ったんだ。



「翔やん、、協力しますよ。
いや、協力しませんか?」



「なんで、ニノが?」



ニノは、フッと笑ってから真面目な顔をする。



「親友の座奪われたら、、、
同じ嵐のメンバーなのに、立場ないでしょ?」




***


取り合えず、最近の雅紀と風間の動向を掴んでから、今後の作戦を練るつもりでいた。



「翔くん?何、やってんの?」



「うわぁっ!松潤か…」



ピッ!

あ、やべっ!スマホ切っちゃった・・・。


松潤が俺に不審な目を向ける中、雅紀が向こうから歩いてきて、風間の楽屋のドアをノックしようとする。


やっぱり…っ!

あいつ、局が重なる時まで、風間の楽屋訪問してやがった。。。

いや、それより、今、楽屋に入られるのはマズい!



「潤、ちょ、ごめん…
ま、雅紀ぃ〜〜〜ちょっと、いい?」



俺は、楽屋の中まで聞こえるように、わざと大声で雅紀を呼んだ。

こんな時だけ、飼い主を見つけた仔犬みたいな顔をして『しょぉぉちゃぁぁぁん♪』と駆け寄ってくる。デレデレ///


ニノに緊急事態だって伝わってくれるといいんだが…。




…つづく…
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