Daylight


□【151】〜
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櫻葉【155】◆Daylight◆






「雅紀、、、何が起こってる?」



「オレ、戻らなきゃ………
だからね、しょーちゃん。
だから、迎えに来て。」



「迎えにって?
雅紀?
ニノは?ニノは知ってるんだよな?
ニノに聞けばいいのか?」



雅紀は、小さく首を振って、『ニノはもう居ない』と呟いた。


ニノは居ない?
何がどうなってるんだ?

雅紀は?
雅紀の命がどうかなるのか?



「雅紀、、、
ちゃんと話すんだ。
何が起こってる?
俺は、どこに迎えに行けばいい?」



「しょーちゃん……
いつか、、絶対にオレを見つけて?
オレ、しょーちゃんのこと忘れないから…
しょーちゃん、絶対だよ?
絶対に迎えに来て………」



雅紀の目から大粒の涙が零れ出して、
現実と向き合うしかなくなった。


雅紀が泣く理由が、他に浮かばない。


やがて、雅紀の身体を透して、向こう側に水面が光っているのが見えてくる。



「嘘だろ………っっ
雅紀、行くなっ!
俺と運命を共にするんだろ?
俺の運命の相手なんだろ?

雅紀っ!まだ諦めるなっ!
いいから、戻れ!
な?あと少し………
少し、話をしよう?な?」



雅紀は、また小さく首を振ると、
俺に口づけてきた。


触れることはなくても、
そこには、雅紀の愛が存在してるのに…。



「しょーちゃん、ずっとずーっと、だいすきだよ…」





その言葉を最後に、

雅紀の身体は空気に飲み込まれるようにスーっと消えて…



河原には俺ひとりだけになった。



雅紀………………。


嘘だろ……?


嘘だっ……………


嘘だぁぁぁぁ……………




さっきまで、あんなに無邪気に笑って、

楽しそうにに花火を振り回して、

元気に走り回っていたじゃないか………。



今日の主役は、、雅紀、お前なんだぞ…




膝から崩れ落ちるように、自分の身も心も支え切れないでいた。



でも・・・・・。



雅紀は諦めないと言ってくれた。

俺にも同じように…。


それから迎えに来て、、と。



…………っっ!



雅紀、待ってろ!



そう、まだ終わっちゃいない。

最後まで、諦めたらダメなんだ。


俺は、カメラやゴミを袋に突っ込むと、バケツを持って無我夢中で家まで走った。





…つづく…
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